2022年5月13日
ママチャリ。
最近の若者は、この言葉を使っているだろうか。
もちろん、意味は分かると思うけど。
でも、実際の会話の中で「俺、ママチャリで行くから。」的な使い方をしているのかどうか気になるところ。
死語かもしれない。
中年男性が死語を使うのは、例えれば、今時のクラブに20年前のスーツを着ていくようなもので、まず失笑案件。
たまに一周回ってカッコいいになることもあるけど、その打率はかなり低いはずです。
ママチャリ。
どうも気になる。
ママチャリは、その根っこにチャリンコという言葉がありますね。
私がチャリンコという言葉を知ったのは中学生のときかな。
当時のツッパリたちが使っていた言葉が、庶民生徒たちにも降りてきた感じだった。
自転車という言葉は高級感があって、お年玉とかお誕生日に買ってもらえるものという雰囲気だったけど、チャリンコはいつも乗っている古びたmy自転車のイメージそのままだったから、すぐ乗り換えました。
ママチャリという言葉を知ったのはいつだったかな。
平成になってからだと思う。
当時、ママチャリには蔑称的なニュアンスがあった。
ロードバイクとか、マウンテンバイクとかのカッコいい自転車の対極にある存在としてママチャリは存在していた。
でも、日常的に使う自転車は圧倒的にママチャリが多いわけで。そうなると意味合いの変容が起きて、ママチャリは普通の言葉になりました。
ママチャリ。
素晴らしい語感センス。
これだけでどんな自転車かイメージが湧く。だけど、これがママチャリだ!という突出したデザインは無い。
自転車メーカーのサイトを見ても、ママチャリというジャンルはない。あくまでスラング。でも浸透している。
例えば、保育園に子どもを送り迎えしている人たちや、スーパーの買い出しに自転車を使う人たちは、自分の自転車をママチャリだと思っているでしょうか。
電動アシスト付きの、後ろに子どもを乗せることを前提の仕様になっている自転車を使っている人は、これをママチャリとは思っていないと思う。
国内メーカー製ではない安々の自転車で、荷カゴやチャイルドシートを後付けしたタイプだと、ママチャリと呼ばれても仕方ないかなという感じかもしれない。
ママチャリ、イコール安い自転車。これがこの言葉の真髄ではないかと思うのです。
街道沿いにある自転車屋の店先で安価に売られている自転車。
それこそがママチャリ。
え?シティサイクル?しゃらくさい!
ママチャリはママチャリ、それ以上でもそれ以下でない。
その潔さを感じていたいです。
だから今日もママチャリをこいで駅まで突っ走るのです。
もちろん、安全運転で。
パパチャリでもなく、オジチャリでもなくママチャリ。
これは素晴らしいネーミングセンスだと思いませんか?
