非浸潤癌は、がんが発生した乳管のなかに留まっている状態です。
この状態では、がんは全身にひろがる心配はないとされています。
局所の治療で治ります。
浸潤癌は、乳管の壁こえて、壁のそとに広がった状態です。
まわりの血管やリンパ管にがん細胞が入り込み、全身に広がる可能性があります。
手術や放射線治療をおこなって、乳房を治療しても転移や再発することがあります。
したがって、化学療法などで、乳房の外に広がった活動しているがん細胞を攻撃します。
そのような治療を行っても、乳がんは、10年以降にも再発することがあります。
がん細胞は、体のどこかに休止状態で潜んでいるであろうと推測されています。
ドーマンシー(休眠)といわれる状態です。
この状態のままであれば、身体や寿命に影響はありません。
ドーマンシーから細胞が分裂する状態になると転移・再発がおこります。
活動しているがん細胞は、抗がん剤で治療可能ですが、ドーマンシーには効き目が薄いようです。
乳がんでは、ホルモン療法を長期間行うことで、10年以降の再発をも予防ようという考えです。
ホルモン療法が、休止状態の細胞に効果があるのか、分裂を再開した細胞に効果があるのかは不明です。
最近では、転移・再発した後でも、それ以上に大きくならなければ寿命に影響はないという考え方もあります。
休眠療法といわれる治療です。
現在は、抗がん剤の量を加減して持続的に治療する方法です。
今後は、がんの特性を研究して、がん細胞を休止させる治療が開発されるかもしれませんね。