A29:乳腺炎の原因について、次のようなことがあります。
分娩後に、女性ホルモンが低下します。
そして、プロラクチンという乳汁分泌を促すホルモンが分泌されます。
また、乳頭の刺激などでオキシトシンというホルモンが分泌されます。
オキシトシンは、乳頭からの乳汁の出を促進します。
したがって、乳房にたまった母乳は、乳頭を刺激することでよく分泌されます。
細菌は、乳頭から乳管という乳汁が流れる管に入ります。
そして、たまっている母乳に感染します。
母乳が、乳管内にたまっていなければ感染は起こりません。
このことから、乳腺炎の予防には次のことが大切だということがわかります。
①乳頭を刺激して、乳汁を良く出すこと
②乳頭を清潔にすること
①について説明します。
授乳回数が少ないと、乳汁がたまりやすくなります。
はじめは、こまめに授乳しましょう。
母乳に自信がなくなって、人工ミルクに頼ってしまうことがあります。
そうすると、授乳回数が減って乳汁がたまる原因になります。
乳頭をやさしくマッサージして、オキシトシンの分泌をうながしましょう。
オキシトシンの効果で、母乳がスムーズに流れるようにしましょう。
赤ちゃんに吸ってもらうのが、一番です。
初めはお母さんも赤ちゃんも下手かもしれません。
根気よく授乳しましょう。
必ず上手に出来るようになります。
オキシトシンというホルモンは、お母さんの気持ちに応じて分泌されます。
赤ちゃんを触ったり、匂いをかいだり、お乳をあげようと考えたり。
そのようなことが、オキシトシンの分泌促進に有効です。
ストレスがあるとオキシトシンが減ります。
お父さんや家族もお母さんに協力して優しくしましょう。
②については、次回説明します。