A17:
『閉経したから、もう乳がんになることはないでしょう?』とよく質問されます。
残念ですが、70歳をすぎても、乳がんになることがあります。
90歳でも乳がんになる方はいらっしゃいます。
乳がんの一部は、女性ホルモンの刺激で発生します。
閉経後は、女性ホルモンが少なくなります。
ところが、乳がんは、脂肪のなかで女性ホルモンを作って大きくなります。
70歳台のほとんど方は、手術などの治療は支障なく行えます。
治療しないと大きくなることもありますので
一般的には、乳がんと診断された場合は、高齢者も治療を行います。
私の経験では、90歳台の方も問題なく手術できました。
手術がむずかしい状態の方は、ホルモン治療などを行い進行を遅らせることもあります。
早期発見のほうが、治療による身体的負担が少ないです。
70歳を過ぎても、可能な方は乳がん検診を受けたほうがよいでしょう。
老人ホームなどで、入浴介護をされている方が見つけてくれることも多いです。
乳房にしこりを見つけたら、乳腺科、乳腺外科に相談してください。