「植木のはなし」
ピュ~ピュ~
植木①:今日はとても、風が強いんだ。
ぼくの場所はまだマシだけど、向かい側のあいつは、今にも倒れそう。
「あっ」
ピューーー~
植木①:「向かいのあいつ、倒れちゃった。かわいそうに・・・
あ、人間だ。なおしてあげてる。
良い人だなあ。うん、とても、親切な人だ。」
「わあ!また強い風!」
ピューーーー~
植木①:「ふう、、ほんとに今日は風が強い。」
ぼくは倒れなかったけど、向かいのあいつは、また倒れてる。気の毒に。
でも通りがかった人になおしてもらっているようだ。
それから何回か倒れていたけど、その度になおしてもらっていた。
「向かいのあいつ、ラッキーだなあ。」
そしてまた、強い風がふいて向かいのあいつ、倒れてしまった。
でも人間来てるし、またなおしてくれるだろう。
ぼくは様子を見ていた。通りかかった彼は、向かいのあいつが倒れてるのを
見たが、
何をすることなく、通りすぎた。
「なんてやつだ!
おお~い、向かいのキミ、大丈夫かい?
今のやつ、キミが倒れてるのに、見て見ぬフリをしたね。
ひどく不親切なやつだ。」
植木②:「やあ、向かいの植木くん。おれは大丈夫。
しかし、なぜだい?なぜキミは、倒れてるおれをなおす人が良いやつで、
なおさない人が不親切なやつと言うんだい?」
植木①:「えっ?」
植木②:「倒れるの、おれはすごくイタイんだよ。
今日はとっても、風が強いだろう?
特におれの場所は、すごく風が通る。倒れるに決まってるじゃないか。
そういちいちなおされちゃ、
おれは何回、イタイ思いをしなきゃいけないんだ。」
植木①:「ああ・・・そうかあ。
でも、なおしてくれる人たちは、倒れてたらかわいそうだと思って、
なおしてくれてるんじゃない?
倒れてちゃみっともないし。」
植木②:「おれが、立ってるのが当たり前だって、誰が決めたんだい?
そりゃ、彼らの都合だろう?
おれとしてはどっちでもいいよ。土に入ってさえいれば、十分だ。
ただ、こう何回も倒れてちゃ、土がどんどん、こぼれていってるんだよ。
だから今日は、倒れてるほうが、おれはいいんだ。
おれをなおすやつらにとっちゃ、
倒れてるおれは、みっともないかもしれないけど、
おれは、みっともなくないね。」
植木①:「うーん・・・そうかあ・・・
そんなこと、今まで考えたことなかったよ。
だって植えられてからずっと、こう立ってきたから。
これが当たり前だと、思ってたよ。」
ピューーーーー~~
植木①②:「わあ!!」
植木①:「いたたた・・・う~ん、確かに。
倒れるの、イタイね・・・」
ぼくたちはしばらく、誰にもなおされずに、倒れていた。
しかし、なんとも落ち着かない。
やっぱりぼくは、立っていたいんだ。そうやって過ごしてきたんだから。
でもずっとこうして倒れてたら、これが当たり前になるのかもしれない。
どっちにしろぼくはひとりじゃ動けない。
いつか、誰かなおしてれるのか、
これがぼくの当たり前になるのか、
いまぼくは倒れてるのか、立ってるのか。
ぼくはただの植木。単純で逆さまな植木なんだ。
ぼくもあいつも。
おっわり
ってゆうん考えた。
今日たおれとる植木みたけどなおさんかって
うちいかんやつなんかな~って思ったけど
こういうとき植木ってどう思っとんやろって思いながら。
石のはなしもできた^^










