知り合いが好きだという小説を読んで、

泣いているうちに、

あなたが私の中に帰ってきた。

 

あなたは煙草の煙に目を細めて、

時間を止める。

 

人差指と親指の間に挟まれた煙草。

重い睫

長い指

細い鼻

薄い唇

見惚れていると、あなたは微笑む。

「どうしたの?」

そんなやさしさ。

 

誰にも言えない。

あなたが誰よりも近くにいることを

誰も知らない。

あなたという幸せを知る人が

ここにはいない。

 

おかえりなさい?

おかえりなさい

ニック

 

もう、どこにも行かないで。

ねえ。

ね?