先輩とキミの大学院生日記

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生物系大学院生の交換ブログ

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 後輩である僕は先週から夏休みをとっている。先輩は忙しいようだったが、僕としては地元の東京を満喫している。といっても今のところ、地元の友だちと遊ぶわけでもなく、図書館へ行ったり、近所でポケモンGOをやったり(思ったよりポケモンが出てこない)、電車に乗って買い物をしたり、大きな公園に行ったり、バッティングセンターに行ったりした。

 

 図書館で文芸雑誌を借りてきたがそこには今年の芥川賞の候補作にもなった新人賞の受賞作が掲載されていた。

 崔 実(チェ・シル)という作者の「ジニのパズル」という作品だ。

 

 内容は簡単にいうと朝鮮学校に通っていた主人公がそこで受けた日本人からの差別、また学校に飾られた北朝鮮指導者の肖像画への違和感、手紙を通じて知らされる北朝鮮の残酷な実情などさまざまな社会的な圧力に立ち向かっていこうとする話だ。

 

 これらの社会的圧力は主人公を孤独にさせ、そして周りの子供も大人もそれに対して抵抗することができない。そんな中、主人公であるジニだけがそれに立ち向かっていこうとする。

 

 作品のすばらしさをあまり伝えられた感じはしないが、最近の新人賞の中では一段と優れた作品ではないかと思う。審査員も六人くらいいたが、皆この作品を絶賛していた(割とこういうことはめずらしい)。

 

 まだまだ休みはあるのでいろいろと本を読んでいこうと思うが、ぜひこのチェ・シルという作家の名前は覚えておいてほしいと思うし、もしかしたら今後もより素晴らしい作品を書くかもしれない。