石油大国ベネズエラは、なぜ発展しなかったのか

「石油がたくさん出る国=豊かな国」
そう思われがちですが、実はそうならない国もあります。
その代表例が、南米のベネズエラです。

ベネズエラは、世界最大級の石油埋蔵量を持つ国。
それでも経済は崩壊し、物資不足やハイパーインフレに苦しんできました。
なぜこんなことが起きたのでしょうか。


① 石油に頼りすぎた「資源依存国家」

ベネズエラは長年、国家収入のほとんどを石油に頼ってきました。
石油が売れる → 国にお金が入る
他の産業(農業・製造業)を育てなくても何とかなる

この状態が続くと、国の体力が石油一本に偏るようになります。
石油価格が高い時は問題ありませんが、
価格が下がると一気に国家収入が減り、経済が立ち行かなくなります。

中東の一部の国は、石油収入を使って
教育・インフラ・観光・金融などに投資しました。
ベネズエラはそれを十分に行いませんでした。


② 人気取り政策と経済のゆがみ

2000年代、チャベス政権は「貧困層重視」を掲げ、
石油収入を使って補助金や給付を大量に配りました。

短期的には支持を集めましたが、問題がありました。
国が価格を決める(価格統制)
企業は赤字になり、生産をやめる
物が市場から消える

結果として、お金はあっても物がない国になっていきます。


③ 国有化と人材流出

政府は石油会社や電力、食料関連企業を次々と国有化しました。

しかし、
経営ノウハウが不足
専門家より政権に忠実な人が重用される
技術者が国外へ流出

これにより、石油を掘る能力そのものが低下。
「石油はあるのに、生産できない」という事態に陥りました。


④ お金を刷りすぎた結果

税収や石油収入が足りなくなると、政府はお金を大量に発行します。

すると、
物の値段が急上昇
給料や貯金の価値が激減
ハイパーインフレ発生

紙幣が日用品以下の価値になるほど、通貨は信用を失いました。


⑤ 制裁は「原因」ではなく「追い打ち」

アメリカとの対立により、経済制裁も受けました。
これは確かに状況を悪化させましたが、
問題の根本は国内政策の失敗にあります。


まとめ

ベネズエラが発展しなかった理由は、
石油一本に依存した
産業を育てなかった
経済ルールを壊した
人材と信用を失った

という積み重ねです。

大事なのは
「資源があるか」ではなく
「資源をどう使うか」。

これは国家だけでなく、
会社や個人にも当てはまる教訓かもしれません。