懐かしいボーダフォンV601Tとのストーリー

 

 

大学2年の春休み、休校中の学校に忘れ物を取りに行くため、私は電車に乗り込んだ。

車内には、綺麗なお母さんと思われる女性が、まだ3歳にならない女の子を連れていた。

長めのベンチシートに、私とお母さんが座った。お母さんは子供がはしゃいでいるのを見て、子供を左側に置いて、私に近い方に座り直した。

窓の景色に夢中になっている子供を見ながら、美しいお母さんはハンドバッグから携帯を取り出して、ちょっと操作をした。

その時、列車が急停車し、お母さんの携帯がソファーから飛び出そうとしていた。

私の目の前には、床に落ちようとしていた赤い携帯があった。瞬時に、私の左手がその携帯を無意識に押さえにかかった。

同時に、お母さんも右手で自分の携帯を掴もうとした。そして、お互いの右手と左手が上下に重なり合った。

それは短い瞬間だったが、その時間はとても長く、そして暖かく感じた。

お母さんの手は私の手に触れ、彼女の甘い香りが私の鼻をくすぐった。その瞬間、私たちは何か特別なものを共有したように感じた。

お母さんの身体から甘い香りが漂い、私の鼻をくすぐりました。

 


ありがとうございました。