車上生活をしていたきょうだいたちは一時保護された

そして施設に入って落ち着いたものの

普通の生活に生きにくさも感じ

10代、20代とやんちゃをし、

少年院、刑務所、ヤクザ・・・

 

落ち着いた30代

足を洗い、まともな仕事につき始めたOB

その頃、私より年上だった彼

よくふらっと遊びに来たり、手伝いに施設に来てくれていた

いろいろあったけど

今は落ち着いて生活ができている、と。

昔の彼を知っている大人たちは

一安心していた

 

そして彼女を連れてきて結婚するのだと

報告に来てくれた

彼は幸せに満ち溢れていた

彼女を紹介し

彼女の両親からも認められて

彼女の方の婿になるとか

そして奥さんになった彼女も連れてきてくれた

幸せいっぱい

彼の昔は話でしか知らないが、本当に良かった

こういう生き方があるんだなと実感した

 

しかし、幸せと反する不幸が半年後訪れた

施設の電話がなり奥さんからだった

主人が昨夜首を吊って自殺しました・・・

衝撃すぎる言葉に何も言葉が出なかった

えっ

なんで

あんなに幸せそうだったのに

 

もう6年前の出来事である

幸せを掴みかけた子どもたちを見ると

6年前のことがいつも蘇る

誰もが幸せであろうと思ったことでも

彼自身が掴んだ幸せは怖いものだったのだろうか

彼にはもう聞くことはできないので

これは私の勝手な憶測でしかならないのだが・・・

今までにない幸せを掴んだが

その先が怖くなり自分から手を離したのだろうか

幸せの絶頂まで来て、落ちることが怖くなったのか

 

人それぞれ幸せの価値は違うし

捉え方も違うし

彼にとっての幸せは一体なんだったのだろう・・・