最近色々中国のドラマを見ていますが、本当に面白いものがかなりあるなあと。今回ご紹介するのは、改革開放初期の向上を舞台とした青春ドラマ、我们的八十年代です。

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 とにかく、時代感を感じさせる国営工場での懐かしい(って自分は経験したことないですが)雰囲気が素敵です。そこで描かれる若者たちは、市場経済の息吹を感じつつも、所謂「義」を重んじる仲間たち「哥们」な関係なのです。そこでは喧嘩あり、恋愛ありなのですが、金銭崇拝主義的な現代中国が前面に出ている中で、一筋の爽やかな涼風のような感じです(ちょっとほめ過ぎ?)。まあ、もちろんドラマだから爽やかなのですが、当時はそういう雰囲気はよりあったんだろおなあと感じます。

 ただ、金銭は直接的ではなくとも、金銭に繋がる権勢に対するドロドロはきちんとドラマの中枢を占めており、工場周辺を舞台としたミニ・ポリティクスは、それはそれで中国で生きていく上で参考にするところがあるかなと。工場で誰に着くかを見ながら権力に寄り添い、必要、チャンスと見れば工場外でも自らの「关系网」をどんどん拡げて出世していこうとする若者(=ドラマでは悪者)もいましたが、まあこういうのは今も生きる現実なんだろうとも。

 また、大学生が本当に超エリート扱いされているのも面白いところ。当時は本当に一握りしかいなかった大学生だから、とにかく大学生であることが一目置かれ、「工場労働者なんかとは一緒になっちゃイケない」といった強い階級意識も作っていたんだなあと。この時代に大学出ていたらさぞ鼻高々だったんだろうなあ、なんて思ってみたりして。また、当時勃興してきた郷鎮企業と工場との提携やら、工場労働者が工場を辞めて「个体户」(個人ビジネス)になりだしたりと、80年代中国の改革とそれによる社会変動の様子が垣間見えます。

 多くの若者が「没想那么多|(あまり深く考えていなかった)と言いながら仲間のために憤り、奮闘する実直な姿が、ちょっと大人になってしまった自分を省みさせられるようでした。さあ、次はどのドラマを見ようかなあ。