今回はドラマではありませんが、日中合作のアニメ「三国演義」です。小さな頃からの三国志ファンとしては、最近見ていなかったので三国志の「復習」を兼ねて日々見ております。しかも、こういった日中両国が関心を持つ題材で、日本が優位性もあるアニメという手法での合作はとても良い組み合わせですね。ただ、三国志自体が内用盛り沢山なので仕方がないですが、話の展開が非常に速く、ポンポンと進むのが最初はちょっと拙速かと戸惑いました。

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 元々三国志びいきの自分としては、小説で読むと権謀術数を駆使する知略のイメージ強い三国志ですが、こうやってアニメで見ると戦闘シーンの多いのは、当然とはいえなんだか不思議な感じがします。ついついロマンを求める三国志的世界ですが、とは言っても血で血を洗う戦国時代なんですから、かなり生々しい戦いの場面がその壮絶さを思い出させてくれますね、当時の人々は大変だったでしょう。

 また、現在三国志の話題で中国を駆け巡っているのは、なんとあの曹操の墓が河南省で見つかったというニュースです!このニュースに自分も最初はとても興奮したものの、その後のメディア報道を追っていると、その真偽を巡って議論は尽きない模様です。

 ただ、一つなるほどと思ったのは香港south china morning postの一言。つまり、これらの議論が多くの考古学学会以外から挙がっていることからもいえるのは、如何にこういった公式発表が市民から疑念の目を向けられているかを示唆している、とうもの。というのも、これが本当に曹操の墓であればその経済効果は莫大で、地元の観光業は一気に沸き立つこと間違いなしなのです。地元から何らかの期待と圧力がかかっても、不思議ではないことでしょう、というわけです。確かにネット上では各種のガセネタも駆け巡っている中国だけに、今回の劇的な発見にも疑念を持つ人が多いのは不思議ではありません。

 現在はこの墓に残るものからDNA鑑定を行うため、山東、河南などに住む「曹」氏の人や「夏侯」氏(曹操の父である曹嵩の実家は夏侯氏)の人にボランティアを募っているそうです。1800年前の人間と現在の子孫を確実に終えるのか、という違った議論もあったようにも思えますがその中でのこのDNA鑑定の試み。しばらくはこの論争も続きそうです。