ドラマから見た中国第2弾、前回蝸居が都市を舞台にしたドラマだったのに対して、今回紹介する女人的村庄は農村が舞台です。

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現代中国の農村で多く見られる、青年男子が都市に出稼ぎに出てしまい、主に女性と子ども、高齢者のみが残っている農村(このあたりは日本の様子と似てきていますね)。そんな農村で残された女性が「女性にもできるんだ!」という気概の村の主任に引っ張られ、事業を展開していくというお話。まだまだ農村のことはわからないことも多いですが、それをちょっと理解させてくれる様々な場面が面白かったです。例えば、(こんなに立派な人がどれだけいるのかが疑問ですが)村民委員会主任が村の内外を駆け巡り投資を村の事業への投資を引っ張ってくる役割を担っていたり、出稼ぎ者と故郷の村との関係の間に立って調停役を行ったりと。また小さい村社会ならではの暖かさと苦労(すぐうわさが広がったり、すぐに仲間になったりけんかしたりと)などなども。また、中国語も大変田舎言葉が面白く、それぞれの女性のキャラも立っていて、とっても楽しめるコメディです。けど、今時こんな事業もできて人情味も厚い、各家庭のけんかや悩みの相談にも乗ってくれるような、立派な村主任はどれだけいるのでしょうか。

今回は養豚事業を持ってくるということになっていますが、ただ自分の今の仕事に翻って考えさせられるのは、農業の担い手が確かに実際に農村に留まっていないんだなあということ。今回のドラマではその事業の成功から農村に人が留まったり、戻ってきたりという風になっていますが、このように上手く農村で事業を成り立たせている事例は多くは無いでしょう。都市化を進めるのは今でも中国農村・農業政策の基幹のようですが、一方18億ムーの耕地は死守するとも言います。一人当たり1ヘクタールに満たない耕地を看るには人は余っているということなのでしょうが、やはり「都市で頑張ることが成功」という雰囲気は同じく蝸居でも何度も見られた光景です。

そんな中叫ばれるスローガンは「统筹城乡协调发展」(ドラマの中ではないですが)、都市と農村の調和のある統合的発展とでも訳しましょうか。この言葉は良く出てくるのですが、「良く意味がわからない」とも聞きます。これはまた別に改めてきちんと噛み砕いて書いてみたいと思います。