大型書店で偶然の出会い。
こういう事って図書館、古書店アマゾンやでは難しい。
出版数も少ないだろうし、そもそもあることを知らないのだから検索もできません。
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なぜB-29?と問われれば
「知的好奇心」
 
戦闘機に関する物語は開発から戦記までかなりの数が世に出ていますが、
それ以外の機種に関しての資料はあまり目にしない。
 
それは有名なB-29も同様。
日本人にとっては「大量生産」「悪魔の化身」「無敵」
などの印象はあるものの、実態は不明。
 
「強大な工業力を活かして大馬力エンジン4発の大型爆撃機をじゃんじゃん生産」
確かにそうなのですがそれなりの苦労もあったみたいです。
とにかく配備スケジュールがタイトで
試作段階で大量発注。
欠陥対策する前に生産。
エンジンが火を吹くトラブル多発。
それに対する現場対応。
エンジン換装に次ぐ換装。
日本側の迎撃と意外と大きな損害。
 
でも最終的に日本を敗戦に追い込み、先の印象を残すことになったのは
その根底に「戦略空軍創設」という明確な開発コンセプト(目的)があったからでしょう。
 
陸軍や海軍の作戦を支援する1部門ではなく、
戦闘地域を飛び越えて、本国の主要都市や生産拠点を攻撃し、継戦能力を奪うという
戦略を担う独立軍としての空軍とそれを可能にする航空機。
戦力、兵器はあくまでも手段で、明確な要求性能を満たす合理的な開発と生産。
 
日本の海軍航空隊が攻撃性能重視で防弾・堅牢性を妥協して
これまた名人芸的な搭乗員の技量で開戦時高性能を誇ったものの、
戦略的な思想が無く、発展性・継続性がなかったことと対照的。
 
そしてその優れた設計から民間旅客機や輸送機(グッピーっていう丸々した飛行機)
にまで発展した事など、知的好奇心は充分に満たされました。