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最近、高校の同級生が小説家になっている事に偶然気付きました。
彼とは1年生の時同じクラスで
クラスの中でもちょっとオトナな感じがしていて成績優秀、
それとは正反対の私は気後れするものを感じていました。
当時から小説を書いている、と言う事は聞いていて、
何度か緊張しながら話をした憶えがあります。

2年生から彼は文系選抜クラス、僕は理系底辺クラスになり
卒業まで(そしてもちろん卒業後も)話をした記憶が無いので
多分彼は僕の事を憶えてはいないでしょう。

そんなわけで「同級生、知っている奴だ!」と自信を持って言うには心許ない状況では有りますが
懐かしさもあってとりあえず読みやすそうな作品を選んで読んでみました。

主人公の男子高校生が女の子を好きになり、と言う話なのですが
主人公の描写から、すっかり忘れていたはずの「彼」の表情や喋り方などが思い出される様でした。
舞台の高校も細部で我々の母校の雰囲気が感じられ、
オトナに見えた「彼」も当時はやっぱり自分と大差ない高校生だったんだろうなあ、と
当たり前の事を実感しました。

そんな同窓会的懐かしさの前半を過ぎ、後半になると物語にぐいぐい引き込まれて
一気に読み終えてしまいました。

「忘れてしまう」「思い出せない」
そんな不安が切ない。
でも前向きで希望に満ちてる。

両手離しで「良い」、誰にも薦めたくなる本でした。

久しぶりに他の作品も読んで見たくなる、好きな小説家と出会えました。