大阪市東住吉区の「南坂辺(みなみ・さかのべ)」の内、「山坂3~5丁目」は、主に、大正期に開発された「松原住宅」を踏襲する住宅街で、昨日見た「山坂町」時代は、マンションがない地域でした。
しかし、時代の流れはこの地にも訪れ、丁度、現在の地名に変更する昭和55(1080)年頃から、公園や空き地にマンションが建設されるようになりました。
それに付けられた名前は、新しい「山坂」ではなく、東住吉区になってからも40年近く、元の住吉区からは半世紀を越す間使われてきた、耳馴染みの「山坂町」でした。
● 「サンライズマンション 山坂町」(山坂5-19) 昭和56(1981)年6月竣工
● 「山坂町 セントポリア」(山坂3-5) 昭和58(1983)年5月竣工
● 「ドムール 山坂町」(山坂5-6) 昭和60(1985)年2月竣工
マンションの紹介で、現在のプラスチック製の「町名・街区表示」板を示しましたが、上の2枚は、「山坂町」から「町」の字が外され「山坂」に変更された時からの変遷を示すものです。
当初(左)は、材質は「アルミ板」。「区名・町名・街区番号」のみ。
この形で、今も残っているのは、極めて稀です。
続いて、同じ材質で、「町名・区名」をローマ字表記したものが、付け足されました。
右の例では、「Yamasaka 4-chome Higasi-sumiyoshi-ku」と書かれています。
こちらは、注意すれば、いくつか見つけることが出来ます。
プラスチック製に変わってからは、最下部に、昭和60(1985)年に区の花と決められた「ナデシコ」が追加表記されています。平板と、大阪市特有のかまぼこ型があるようです。
今日の最後は、今ではほとんど見かけなくなった、「山坂町」時代と「山坂」に変わってからの町内会の所属を示すプレートです。
この例では、「山坂町5丁目町会」が東と西に分割され、東を「山五東町会」と呼んでいます。