「カン カーン」を繰り返すこと１分。、正午を知らせる鐘の音が響き渡ります。
大阪市東住吉区山坂５丁目にある聖母ハウス「愛徳姉妹会」の鐘です。
「聖ビンセンシオ・ア・パウロ」（１５８１～１６６０）が創始した「貧しい病人に仕える会」。
それに従事する娘たちは、人々から「チャリティー（愛徳）の娘」と呼ばれ、「愛徳姉妹会」という名前が付いたと言われます。
総本部はフランスのパリ。日本管区本部は神戸市垂水区舞子台にあり、「聖母ハウス」は、日本にある８つの支部の一つです。
この、カトリック女子修道会である「聖ビンセンシオ・ア・パウロの愛徳姉妹会」のシスターたちが、山坂の地に支部を発足させたのは、昭和８（１９８３）年に遡ります。
終戦直後の昭和２０年１２月から、戦災母子・孤児の収容保護を行い、２年後に「乳幼児・養護施設」としての事業認可を得、乳幼児「聖母託児園」と児童養護施設「聖家族の家」が本格的始動しました。
アメリカの進駐軍「狼犬部隊」の援助も大きく、その話題が度々新聞などで報じられました。
＜ 愛徳姉妹会 ＞ ＜ 南田辺４丁目の聖家族の家 ＞
現在、「愛徳姉妹会」の東側の道路は、南田辺４丁目との境界。
加えて、山坂５丁目側にはシスターの住まいである「マリアの家」があり、南田辺４丁目側の「聖家族の家」と「聖母託児所」があります。
かつての山坂町の名残か、同じ「山五東町内会」です（山五は山坂５丁目の意）。
また、南田辺側、やや北方の「カトリック大阪田辺教会」も、この道に面しています。
過去には、山坂側に「聖母病院」、田辺教会敷地内に「聖母幼稚園」もありました。
＜ 「マリアの家」（左）。南田辺の「聖家族の家」側に、「山五東町会」の掲示板。 ＞
この道路。毎朝、田辺教会での礼拝に行き来する、多くのシスターの姿が見られます。
町の人達・子供たちにも親しまれている「シスター」。我々世代には「童貞（カトリック教の尼僧）さん」の方が親しみがありますが…。
「 葉桜や 童貞さまの 衿しろき 」 ・・・ 父親の残した俳句です。
＜ 正午を知らせる「愛徳姉妹会」の鐘 ＞
＜ 鐘に、「聖ビンセンシオ・ア・パウロ」の名が刻されているのが何とか見えます。 ＞
