杭とロープで半円形に囲まれた1本の木。道路側へには花が手向けられています。
あの悪夢から5ヵ月経った、「長居公園」です。
昨年、記録の残っている昭和6(1931)年から、最多の38日を数えた、大阪の雷観測日。
中でも積乱雲が発生しやすい8月は12日と、一昨年の1年分が発生しました。
その内の1日、8月18日には、避雷針が25本設置されている長居公園内の、周囲に比べ決して高くない場所に2回の落雷があり、男女10人が病院に搬送される事態となりました。内、クスノキの樹林にいた若い女性2人が亡くなられています。
「長居スタジアム」での大型野外コンサートを見るために、福岡県から大阪を訪れた2人。
地下鉄長居駅から公園に入るやいなや、突然の豪雨に見舞われ、会場方向とは違うものの近い樹林に雨宿りに駆け込んだものと思われます。
●昨年8月20日のブログ ⇒ http://ameblo.jp/imagome/day-20120820.html
この事故後、園内には「樹木の下は危険」「建物内に避難」という、注意を喚起するポスターや看板が掲げられるようになりました。
< 昨年8月19日撮影 > < 1月16日撮影 >
事故直後は皮を引き裂かれた部分が白く痛ましい姿でしたが、5ヵ月経った今、下部はそれほど目立たなくなりました。
落雷のあったクスノキは、樹林の中でも決して一番高く太いものではなかったことが見てとれます。
事故のあった翌日も大気が不安定でしたが、前日の事故などおかまいなしに(?)、コンサートが開催されました。落雷した樹木の方に手を合わすこともなく、多くの人が会場への道を進みます。
東の空が真っ黒になってきて、雷鳴も聞こえ出し、家路を急ぎました。
見渡す限り、誰もが無関心。場内に注意を促すアナウンスもありません。
「雷鳴が聞こえるなど、雷雲が近づく様子がある時には、落雷が差し迫っています。速やかに安全な場所に避難することが、雷から身を守るために有効です。樹木の下は危険です!木に近づかない!速やかに建物内に避難しましょう。」
こうした看板・ポスターだけでなく、場内全般をカバーする放送設備を整えたり、碑・避難所を設けるなどの、再発を防ぐ工夫と対策を急いでほしいと思います。
個人個人の自覚と行動が必要なことは、言うまでもありません。