秋の野原に咲く花として、万葉歌人「山上憶良(やまのうえのおくら)」(660~733)が、指を折りながら数えた7種類の花が、今も「秋の七草」とされています。
冬ごもりから解放されて食する「春の七草」と違って、秋の野で眺めて風流を楽しむ草花。
「ハギ・ススキ・クズ・ナデシコ・オミナエシ・フジバカマ・キキョウ」の七種です。
『万葉集・巻八』に、「山上憶良が秋野花を詠んだ歌二首」として収められています。
● 「秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数うれば 七種(ななくさ)の花」(1537)
● 「萩(はぎ)の花 尾花(おばな)葛花(くずはな) 撫子(なでしこ)が花
女郎花(おみなえし) また藤袴(ふじばかま) 朝貌(あさがお)が花」(1538)
ここで詠まれている「尾花」は「ススキ」、「朝貌」は「桔梗(ききょう)」を指すとされています。
< 尾花(ススキ) イネ科 >
< 桔梗(ききょう) キキョウ科 > < 葛(くず) マメ科 >
< 女郎花(おみなえし) オミナエシ科 > < 藤袴(ふじばかま) キク科 >
< 萩(はぎ) マメ科 >
昔の「秋」は、陰暦(旧暦)の7月・8月(仲秋)・9月。
現在の秋は、新暦の9月・10月・11月。
旧暦と新暦では、1~1ヵ月半位のズレがありますが、暦の上の季節も若干ズレています。
特に、4月・閏4月があった今年は、この季節、かなり日付けがズレが見られます。
因みに今日・10月2日は、旧暦8月19日です。
昭和10(1935)年に、ある新聞社が選んだ「新・秋の七草」は・・・。
「ハゲイトウ・コスモス・イヌタデ・シュウカイドウ・彼岸花・菊・オシロイバナ」
昭和50(1975)年頃の植物愛好家のアンケートの上位7種は・・・。
「吾亦紅(われもこう)・彼岸花・りんどう・萩・ススキ・ミズヒキ・アキノキリンソウ」
さて、今、選ぶとすれば・・・?
★☆ 大和川叢書④『流域歳時記・甚兵衛と大和川~この日何の日』 10月4日 要旨 ☆★
● 《 宝永の南海沖地震(1707) 》
大和川付け替え後の新田開発が進み、検地と年貢徴収開始を翌年に控えた宝永4年(1707年)。晩秋から冬にかけて天変地異が続きました。近畿・東海を中心に大地震が襲い、その後に富士山が大爆発したのです。この日は、今も危惧されている東海・東南海・南海の3震源域が同時に破壊され、その規模も被害もわが国地震史上最大の「宝永地震」が起きました。M8.6。死者約2万人。四国・土佐の津波は20mに達し、大坂でも民家1万戸が倒壊しました。