7月1日。早いもので、今年ももう折り返し点。
「夏至」から数えて11日目に当る今日は、「半夏生(はんげしょう)」でもあります。
季節の変化を細やかに伝える「七十二候(しちじゅうにこう)」のひとつです。
この日までに田植えを終えると良いとされ、その苗が蛸(タコ)の足のようにしっかり根付くことを願って、タコを食べる習慣もあるようです。ということで、蛸研究会は半夏生の日を「蛸の日」と定めています。
また、讃岐うどんの本場・香川県では、食欲のなくなり始めるこの時期に格好のものとして食べる習慣があり、この日を「うどんの日」と制定しています。
昨日、大阪の夏祭りの先陣が切られましたが、「河内音頭」のシーズンも到来です。
その「河内最古之音頭発祥地」の碑があるのが、「八尾地蔵尊」として知られる、八尾市本町5丁目の「常光寺(じょうこうじ)」。第45代・聖武天皇の時代に「行基」がこの地に霊場を開いたのが始まり。臨済宗南禅寺派の末寺です。
左右に仁王がいる山門には、「足利3代将軍義満」の筆と伝わる、右から書かれた「常光寺」の「扁額」が掲げられています。
「河内音頭は、口説き形式の盆踊り唄で、日本を代表する音頭。多くの流派があり、現代的なスタイルも演じられるが、常光寺は河内音頭の原型である正調流発祥の地」として、「常光寺境内の河内音頭」は、平成8(1996)年6月に環境庁(現・環境省)が選定した「残したい・日本の音風景100選」のひとつとなり、その年の今日・7月1日の式典で認定書が交付されました。
ゆったりとした情緒あふれる独特の節回しで、現在の河内音頭の原型となりました。
境内片隅には、元文部大臣・塩川正十郎の書による「河内最古之音頭発祥地」の石碑が、豊臣秀吉の大坂城築城の際の「残り石」と伝わる石の上に建てられています。
境内にはまた、「古きより踊りの寺と親しまれ」(美典)という句碑もあります。
以上、常光寺の写真は、昨年6月30日に撮影したものを使いました。
★☆ 大和川叢書④『流域歳時記・甚兵衛と大和川~この日何の日』 7月1日 要旨 ☆★
● 《 八尾常光寺の河内音頭が「音風景百選」に(1996) 》
上記の通り。尚、室町時代に寺の再建事業携わった大工らが、「エンヤコラセー、ドッコイショ」と掛け声をかけて木材を運搬したのが、後の「流し節正調河内音頭」の始まりとされています。音百選には他に、大阪では「淀川河川敷のマツムシ」、奈良では「春日野の鹿と諸寺の鐘」も選ばれています。