中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記

            < 吾彦(あびこ)観音寺


 1月12・13・14日で採り上げたタイトルにある標記の違い探索。

 大阪市住吉区の「我孫子西・我孫子・我孫子東」と、それに隣接する「苅田・浅香」が対象でしたが、今回は西方に少し離れた「遠里小野(おりおの)」と、その西「清水丘(しみずがおか)」まで、足を延ばします。


中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記


 遠里小野にある、南海高野線の「我孫子前駅」。

 この「前」は、「吾彦(あびこ)観音」の最寄駅を意識したネーミングです。

 現在では、JR阪和線「我孫子町駅」か市営地下鉄御堂筋線「あびこ駅」が、「吾彦観音寺」の最寄駅ですが、開業当時は、阪和線も地下鉄もなかったのです。

 その辺りを整理してみましょう。


 ● 阪堺電軌阪堺線「我孫子道駅」(清水丘3)  明治44(1911)年1月1日開業

 ● 南海高野線「我孫子前駅」(遠里小野5)    大正1(1912)年10月10日開業

 ● JR阪和線「我孫子町駅」(我孫子3)      昭和5(1930)年1月1日開業

 ● 市営地下鉄御堂筋線「あびこ駅」(苅田7)   昭和35(1960)年7月1日開業


 吾彦観音まで直線距離でも、阪堺線の駅から約2km、高野線の駅から約1.2km離れています。

 写真の「我孫子前駅」からは、徒歩で20分ほどかかりますので、現在では、この沿線の方でない限り、参詣者の利用は少ないものとみられます。


中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記


中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記


 遠里小野の「南海我孫子前駅」の西方、清水丘との境界になる「あべの筋」(府道30号・大坂和泉泉南線」には、大阪市バスの「我孫子道」のバス停があります。


中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記 中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記


 市バスの停留所としては珍しく、漢字表記の「我孫子道」。


 清水丘にある商店街は、我孫子のそれとは逆に、ひらがな表記でした。

 「あびこ道商店街」です。
中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記 中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記


          中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記


 「我孫子・あびこ・吾彦」の標記の違い。今回初めてご覧いただいた方は、1月12~14日のブログを参照いただければ幸いです。

      1月12日 →  http://ameblo.jp/imagome/day-20120112.html

      1月13日 →  http://ameblo.jp/imagome/day-20120113.html

      1月14日 →  http://ameblo.jp/imagome/day-20120114.html



★☆ 大和川叢書④『流域歳時記・甚兵衛と大和川~この日何の日』 1月27日 要旨 ☆★


● 《 寝屋川市域内に京阪電鉄が3駅建設(1910) 》

 大阪城の北で大川に流れ込む「寝屋川」。上町台地の東側、大和川の北側の平野部を流れる水は全て寝屋川水系として管理されています。が、大和川付け替え以前の寝屋川は、古大和川に流れ込む一支流でした。
 その川の名を市名とする「寝屋川市」には、京阪電車の3駅があり、明治43(1910)年のこの日に竣工しています。「萱島(かやしま)駅」・「寝屋川駅」(現・寝屋川市駅)・「香里(こうり)駅」(現・香里園駅」です。

 京阪電気鉄道は、その年の4月15日に、大阪・天満橋と京都・五条駅の間47kmを1時間40分で結ぶ旅客営業を始めました。近年の京阪は、「おけいはん」「ひらパー」など、ユニークな宣伝で知られています。