中 九兵衛のブログ 大和川流域歳時記


 今日・8月2日は、「土用二の丑(どよう・にのうし)」。

 この夏、2度目の丑の日。稚魚不足とかで値段は高くなってるものの、一切れでも鰻を食べたい日ですね。


 今では、「土用波」・「土用干し」・「土用休暇」など、夏限定みたいですが、本来の「土用」は、暦の立春・立夏・立秋・立冬の日の前の18日間を指す言葉。

 今年の立秋は8月8日なので、夏の土用は、7月21日から8月7日の18日間となります。

 「年」と同じように、「日」にも十干十二子が付されていて、今年は、土用の入りの7月21日が「丁丑(ひのと・うし)」、12日後の今日が「己丑(つちのと・うし)」となり、土用の間に、丑の日が2日となりました。

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 捕獲されて浜松にも運ばれる、大和川河口の鰻の稚魚のことは、あまり知られていません。

 また、捕獲しても「大和川の鰻って食べられるの?」と言われるほど、大和川の汚い川のイメージが強かったのですが、近年の水質改善ぶりは、目を見張らせるものがあるようです。


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 先月28日、国土交通省水管理・国土保全局は、「平成22年全国一級河川109水系における水質状況」をまとめ公表しました。その中で、「水質改善状況に関するランキングで、過去10年間にBOD値が大幅に改善されている河川は、大和川(大和川水系)、及び綾瀬川(利根川水系)であった」と特筆しています。


 この調査は、昭和33(1958)年から実施され、昭和47(1972)年から公表されているものです。

 先の2河川、「大和川」と、埼玉から東京湾に注ぐ「綾瀬川(あやせがわ)」は、永らく全国ワースト1の汚名の席を、年度ごとに分かち合う状態が続いていました。

 最近では、鶴見川(東京・神奈川)・中川(埼玉・東京)・猪名川(大阪・兵庫)を合わせた5河川が、ワースト5に名を連ねていますが、ここ4~5年は、鶴見川や大和川がワーストの順位を下げる傾向にあり、中川や猪名川が上がる傾向にあります。


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 今回公表された、平成22年のワースト5は、①綾瀬川・②猪名川・③中川・④大和川・⑤鶴見川の順で、大和川は、平成21年にワースト2を脱したに続いて、ランク公表後初めて、「ワースト3」をも脱出しました。


 が、そうした順位よりも、「2ヵ年平均BOD値の過去10年間の改善状況」で、大和川が平成11・12年の7.0から、平成21・22年の3.0へ、改善幅が4.0となり、綾瀬川の3.8、鶴見川の2.5、中川の1.8などを上回る、全国1の改善幅をみせたことの方が、重要でしょう。

 そして、昨年は初めて、BOD値が3・0を切り、2.8を記録しました。


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 河川内の浄化設備の設置などもありますが、大和川付け替え300周年の平成16(2004)年当時、64%程度に過ぎなかった流域の「下水道普及率」が、80%を越すまでになったことも、水質改善の大きな要因でしょう。

 一方で、数多くの、様々な活動を通じて芽生え広がった、「住民意識の向上と取り組み」が、成果に繋がったのは言うまでもありません。


 そうした住民・市民活動の一つ、奈良と大阪で、住民参加のイベントの開催や、各団体の取り組みとの連携と支援に取り組んでいる「大和川市民ネットワーク」の事務局長・小松清生(こまつ・すがお)さんは、「官民、力を合わせた幅広い活動が、成果に繋がり嬉しい」と言われています。

    大和川市民ネットワーク事務局=堺市北区東浅香山町1-381-13 小松方 電話 080-2444-2098

    活動内容は、ホームページにも掲載されています。


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 大和川叢書④『流域歳時記・甚兵衛と大和川~この日何の日』の8月2日の頁は、昨日に続き、昭和57(1982)年8月初旬の連続豪雨の話題です。