「南大阪線」と共に、大和川を越える近鉄の「道明寺(どうみょうじ)線」。
大正12年(1923)の南大阪線の開通で、南河内に通じる本線の座を奪われ支線となりました。
現在の近鉄では、最も歴史が古く、最も短い路線です。
柏原(かしわら)市の「柏原駅」と、藤井寺(ふじいでら)市の「道明寺駅」の、2.2kmを結んでいます。
開通させたのは、「河陽(かよう)鉄道」で、明治31(1898)年のこと。
その後の経営は、翌年に「河南(かなん)鉄道」(のちに「大阪鉄道」に改称)に、昭和18(1943)年に、その翌年「近畿日本鉄道」(近鉄)と改称する「関西急行鉄道」(関急)に引き継がれました。
全線が単線で、2両連結の車両が折り返し運転をしています。
途中駅は、大和川右岸堤防際の「柏原南口」のひと駅だけです。
大正13(1924)年の開業で、その以前は左岸に「大和橋駅」がありましたが、廃止されました。
橋梁のすぐ上流には、歩行者・自転車専用の「新大和橋」が架かっています。
かつては、これが「東高野(ひがしこうや)街道」にあり、重宝されました。
平成11(1999)年、大雨で橋梁上の線路が故障、復旧までに2週間を要したことがありました。
始発から全面運休となったのが、6月26日。再開は7月7日のことでした。
大和川叢書④『流域歳時記・甚兵衛と大和川~この日何の日』の6月26日の頁は、その運休の様子を採り上げています。