21~夢現~実琴と春が、矢代を家まで運んでいった。矢代は、半日たっても目を覚まさなかった。長い長い、遠い遠い夢を見ていた。「駄目です」(あ…、誰…?)「今すぐここから出て行かないと…」(揉めているみたいだ…)「でも…あの人が」(あの人??誰だ?あの人…)はっとする矢代。「だいじょーぶ??」ふと、春の声が聴こえてきた。実琴と、布団の傍らで心配そうにしていた。