『プールとサウナ』

日々の仕事に疲れ果てた私は、夕闇に包まれる丸の内のオフィス街を後にし、足早に会員制のプールへと向かった。

高層ビルに囲まれたその場所は、煌びやかな夜景が広がる静かなオアシスであった。

プールサイドに足を踏み入れると、水面に映る灯りが幻想的な輝きを放ち、私の心を穏やかに包み込んでくれるようだった。

水の中に身を委ねると、日ごろの疲れが身体から奪われるような感覚が訪れた。



プールで身体が冷えてくると、次はサウナ室へと足を運ぶ。

心地よい蒸気が肌を包み込み、日中の疲れが一気に解消される。

汗が滴り落ちる音と共に、過ごした一日が私の心の中に浮かび上がってくる。



「今日は難しい案件をクリアできたな」
と自分に声をかける。

仕事の成果を振り返ることで、自己への励まし、誇りを感じるのだ。

明日への活力が湧いてくる。

新たな一日に向けて、胸の中にはわくわくするようなエネルギーが宿っているのを感じるのだ。

それは、プールとサウナの魔法のような力なのかもしれない。

夜が更けていく中、プールサウナの贅沢なひとときは私にとっての至福の時間となった。

明日もまた同じ場所で、自分を奮い立たせる力を求めて訪れるだろう。

そして、新たな物語が始まるのだと確信していた。

(了)