完全にまっくらの世界を体験した。
もちろん初体験。
どんなに目を大きく開いても、
辺りをいくら見回しても、
一筋の明かりも全く見えない。
もう自分が目を開けているのか、
閉じているのかも分からなくなってくる、
そんな世界。
一本の杖を頼りに歩く。
アテンドとチームメイト達の声にとてもホッとする。
落ち葉を踏んでいる感触、
手を伸ばすと、ススキの穂が触れて
少しドキッとしつつも、
そのやわらかな感触に
次第に優しさを感じてくる。
耳を澄ますと、水のせせらぎが聞こえてくる。
その音の方向へ進み、
指先に冷たい感触が触れたときの感動。
日ごろ何気に行っている行為も、
一つ一つが温かさを帯び、
そして、視覚以外の感覚が
敏感に働いてくれる。
この体験は、
ＮＰＯ法人 ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパン主催の
ワークショップ形式の展覧会・「Dialog in the Dark」 でのこと。
これは、ヨーロッパを中心に70の都市で開催され、
既に200万人が体験しているそうです。
日本においては、毎回限られた期間での開催で、
今回も、予約開始すぐに、15日間（1日7回）の枠も
埋まってしまったようです。
このブログのタイトル
「Ｍｏｒｅ Ｔｈａｎ Ｗｏｒｄ」 という意味は、
「言葉を超えたもの」ですが、
今回の体験で感じたことは、
「言葉」自体ではなく、
「言葉」を通じて、
その「根底にある温かさ」を、
普段より敏感に感じたように思います。
思わずぶつかってしまった時に交わす
挨拶の言葉から感じられるハート。
まっくらな世界の中で、様々なものを
聞いたり、触ったり、発見したものを
教えあう時の楽しさ。
また、手を引いてくれるアテンドさんの手のぬくもり。
何気なく普段もしている行為なのに、
何十倍にも一つ一つに感動を味わった。
人がそばにいてくれるって、
とても嬉しくて、ホッとできることなんだなって
素直に感じました。
不思議で、
とても感謝の念が沸き起こってきた
そんな貴重な体験でした。
ちなみに、アテンドして下さっている方々は
視覚障害をお持ちの方です。
本当に心のこもった先導をしてくれて、
とてもファンになってしまいました。
日本でもこの展覧会が常設になるよう、
そんな応援トークショーも近く開催されるようです。
私もかげながら応援しております。