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自伐型林業家への道

脱サラを夢見る男が35歳に思い立った自伐型林業家への道のりの記録

私が自伐型林業家を目指す動機とは。

思い返してみる。


サラリーマンで辛く苦しい思いをした経験というのは、ひとつのきっかけだったかもしれない。

だがそれは決して、自伐型林業の道へ進もうと決めた動機ではない。


ある日出会った動画の中で力強く語る中嶋健造さんの訴えに心踊らされた。


        生業化可能、儲かる林業

        世界を取れるポテンシャル


私の中で強く印象に残ったキーワードだが、具体的な事柄を以って説明される。

本来の林業の魅力に気付き、仕事の価値に気づき、人生の意味を見直し、どちらが心豊かな人生を送れるのかを考えた結果である。






今の職業はダメなのか。

私は通信インフラに関わる仕事に長年従事している。

経済的に安定はしている。

時間的にも働き方改革により良くなった。

仕事の価値としても、いつでもどこでも電話やインターネットが利用出来る為の一端を担っていることから、人々の生活を豊かにし、社会に貢献している。

この通信インフラがあるからこそ、救われる命もあっただろう。

今の世の中に必要なのは間違いない。


だが、これらの必要性や意味を、仕事の中で実感することはなかった。

第一線では、要求に対し検討し提案をし、会社の損得を考え、折り合いをつけ、時には誤魔化し、自らの処遇や振る舞い方を悩み、人間関係に気を遣う、ストレスフルな日々を送っているだけだった。

その対価として、それなりに良いお給料を頂く。


この事実に対し、なんのストレスも感じない人もいる。

寧ろ、楽しんでいる人だっている。

かつて私が尊敬していた先輩も、常に楽しんでいた。

もちろん私も長年従事していて、楽しいと思う面、おもしろいと思う面もある。

どんな仕事だって、何かしらのストレスは存在する。

それは誰に言われなくても分かっている。

ストレスに感じることをストレスに感じないように心がける事は、心の持ち方である程度ならコントロール出来る。


だが時折、ストレスが勝つ時が訪れる。

こうなるのは一度や二度ではない。

限界を感じるものの、何とか乗り越える。

その度に強くなっているのかもしれない。

しかし幾度目かの臨界点を迎えたときに私は、この仕事を一生続けていく自信を失った。


自分に任されたプロジェクトはやり切り、辛い時期は乗り越えたはずなのに、毎日の通勤が憂鬱な気分だった。

何とも表現し難い拘束感。

人生がつまらなく感じる日々を送る。


まだ数年は続ける事は出来るだろう。

ただ、変えるなら早い方がいい。

時間が勿体無い。

そう感じた私は、変えるために動き始めた。


しかし、やりたい事が特別あるわけでもない。

転職サイトに登録しても、今までの経歴を活かした同様の仕事のスカウトしかこない。

これでは転職しても同じ事になるだけで何も変わらない。


なんとか自分を誤魔化しながらやっていくしかないかもしれないと、逃げるように家族を連れて趣味のキャンプに出掛ける週末を過ごす。


キャンプをやるにもお金が掛かる。

薪代を節約するために、公園内に棄てられている木を加工して薪を蓄える。


薪作りは楽しい。

鋸で切った木の断面を見たり、年輪を数えたり、匂いを嗅いだり、燃やした時の燃え具合を観察したり。


こんな作業で生活出来たらいいのに。

キャンプ場経営…は流石に夢、現実離れしすぎている。

林業、と、ふと思った。

林業の業界って、衰退産業の代名詞だし、経営に携わらないと給料安いんだろうな。


帰ってから調べてみる。

緑の研修、以前見た映画、ウッジョブで見た事があった。

林業従事者が不足している為、林業への就業を考えている人向けのアピールする為の動画がインターネット上には沢山あった。

動画では林業従事者が、「給料には不満を感じているものの、充実した仕事で何のストレスもなく、仕事でストレスを感じている人は林業をやった方がいい。」とか、「大きい木を伐倒した時の爽快感や、達成感、森が整備されて明るくなる事をやりがいと感じている。」とか「残業はほとんど無いので毎日18時には帰れる。」といった事を語っている。


林業への転職者は30代~40代が多いらしい。


見た動画のほとんどは、森林組合や林野庁で作成したもののようだった。


35歳でも遅く無いのか。

給料は少ないかもしれないが、今よりも充実した毎日が送れるのではないか。

といった幻想を抱きはじめた。


しかし、よくよく考えると、8時から18時までというのは、サラリーマンの今より拘束時間が長い事に気づいた。


給料が激減する上に労働時間が長くなるのは、いくらやりがいや充実感を得られるとは言え、抵抗がある。


しかし、聞けている意見はまだ一部。

様々な動画を漁りながら調べを進める。

「自伐型林業が地方を創生する!」というタイトルの動画。


見てみると、九戸村の寺子屋で熱く語る男が、世に逆らった論調で独自路線の正当性を訴えている。


裏付けの証拠やデータとともに、説得力のある内容が展開され、あっという間に1時間の講演が終わった。


これは面白い。

それからというもの、検索ワードは「林業」ではなく、「自伐型林業」に変わった。


自伐型林業に関する動画を数本視聴したのち、NPO法人 自伐型林業推進協会のサイトに訪れ、自伐型林業に関する情報収集を目的としてサポーター会員に登録。


地球のしごと大学 自伐型林業学部という研修の存在を知る。

が、募集をしている時期では無い様子。


自伐協からのメルマガが届く。

地球のしごと大学第7期受講生募集が目にとまる。

研修内容を一通り確認し、費用と時期を踏まえて妻に相談。

仕事についての悩みを相談していたこともあり、すぐに許諾。

同日中に申し込んだ。


元旦、サポーター会員登録のお礼メールを着信。

差出人は、中嶋健造さん。

目を疑った。

些細な事なのに、律儀にこうやって代表自らが連絡をしてくれたことに嬉しく思った。

さらに、今後具体化する際には相談にも乗って頂けるとの有難いお言葉。心強い。


それからさらに自伐協フォーラム等の動画を漁り、災害予防、減災にも役立つ認識を深める。


原木を卸すだけでは無く、6次産業化や兼業内容を色々と構想を練るのも楽しい。

そうこうしているうちに、もはや私の中では決心に変わっていた。

現段階では不安よりも、未来への希望が勝っている。

これが私の動機だ。


今後どのように考えが変化するのかはわからないが、このときはこう思っていたという事を忘れないために、このブログに残す。