丑三つのbreak time(怖い話)

丑三つのbreak time(怖い話)

実体験メインの怖い話を綴ります、暇潰しに覗いてみて下さい。。。

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今思えば















時系列的には、これが初めての心霊体験だったのかもしれません














1話目の「break time intro」で話した『ヤバい』2回目のアパートより、過去の話です














まだ転居する前の1番最初の家での心霊体験
















いや、厳密に言えば















これは心霊体験だったのかも分からない














とにかく不思議な話。。。














この体験をした時、僕はまだ保育園児でした











僕は中学に上がる直前の春休みまで、そのアパートに住んでいて、例の『ヤバい』アパートに住むのは中学に上がってからになります。
















初めに説明しておくと、僕の家族は両親と姉が一人。















僕の両親は多忙な仕事の関係で僕が幼い頃より別居していました。














僕と姉は父親と一緒に住んでおり、母親は仕事であちこち飛び回らないといけないため、職場の寮で一人暮らし、つまり単身赴任をしていました。












父親も自営業で忙しそうでしたが、母親は正直かなりのキャリア・ウーマンだったので忙しく遠方にも飛び回っていました。















そんな中でごくたまに、母親の家に僕や姉が泊まりに行ったり、母親が長期の休暇など取れたときには逆にうちに泊まりに来たり。













多忙な生活スタイルではありましたが、母親の家に泊まりに行ったり、母親が泊まりにくるときは子供ながらにワクワクして嬉しく思いました。














「両親の言うことは絶対!」という家庭で育ちながらも、正直恥ずかしながらかなりのパパママっ子だったと思います。笑
















そして大人になった今でも家族仲は良好で、いまだに時間が合えば年に1回、多くて2回ほどではありますが、家族で旅行に行ったりもします。















そんな家庭でしたから、当時、父親が趣味で撮っていたホームビデオのVHSがけっこうあり、それを見るのが僕の密かな楽しみでもありました。














そんなある日、
















姉が母親の家に泊まりに行っていて、家には僕と父親だけの時がありました。















僕は父親と夕食を済ませ、歯磨きもし、お風呂にも入って、あとは寝るだけ、















就寝する全ての準備を済ませ、僕は父親の足の上にちょこんと座りお互いのどちらかが眠くなるまでテレビを観る、



















それが毎日の流れで、最後のテレビをまったり観る時間が僕は好きでした。















その日は、父親が溜まったホームビデオのVHSの中から一本を選び「一緒に観ようか」と言ってきたので、












僕は嬉しく、ワクワクしながら頷き、二人でホームビデオ観賞をすることになりました。





















初めに断っておきますと、この時観たホームビデオのVHSは今どこにあるかは父親でも分からないようで、













引っ越しの際に間違えて処分してしまった可能性もある...と申し訳なさそうに言っていたため、















悔しくも、後からのこのホームビデオの検証は出来ませんでした















そんなある不可解な現象が入っているとも知らずに、幼き僕はテレビに釘付けでホームビデオが再生されるのを画面いっぱいに堪能しようとしていました。

























ホームビデオを再生すると














ある景色が飛び込んできました。















懐かしいような、優しいような、
















温かい緑が水平線のように広がる






















映った画面のそこは、一面の原っぱ














カメラワークがぐるりと180度周り、
















奥にはちょっとした森林と子供用のアスレチック、
















だだっ広い公園にいるようでした
















画面の中には、ぎこちなく歩き、はしゃぎ回る小さな姉と、その後ろを付いていく母親が映っており、
















僕はベビーカーで眠り、父親がカメラを回し姉や母親に呼び掛けています

















このビデオの中では姉と母親がメインで、僕やカメラを回している父親はほとんど出てきません。
















そのビデオを僕は食い入るように、目をキラキラさせながら観ていました















姉がところ狭しと画面を走り回り、たまに転ぶ、それを母親が笑いながら起き上がらせ、また姉が走り回り、転ぶ
















そんなルーティンの幸せとしか言い様のないビデオ














それを観てる僕にもその幸せがダイレクトに伝わるようで、嬉しい気持ちでそのビデオを観ていたのを覚えています。















原っぱで土が柔らかいのか、何度転んでも痛くなさそうにすぐ起き上がり、走り回る姉
















それを観て、幸せな気持ちも連なりビデオを観ながら笑う僕














笑いながら姉を起き上がらせ、姉の後ろを見守りながら付いていく母親
















走り回り、転ぶ姉














笑う僕















笑いながら姉を起き上がらせる母親















画面越しなので偶然としか言い様がないのですが、いつしか姉と僕と母親の中で目に見えないルーティンのような、一種のリズムのようなものができている感覚になりました。



















そして、














問題の不可解なシーンが来ました

















何度目だったか、また姉が転びました















それを観た僕は呆れ、「また転んでるー、ばかだなぁー」なんて笑いながら言っていました
















すると画面の向こうの母親が、姉を起き上がらせ、
















ビデオを回してるこちらを指差しながら

















「ホラ、まーた笑われちゃってるよ、気をつけて歩かなきゃ、ね」















と、姉に忠告しました




















...ん?

















何かおかしい
















笑ってる?誰が?笑い声なんか音声に入っていないのに


















でも、カメラを回してる父親がその時笑顔で母親は父親に言ったのかもしれない















当然カメラを回してる父親の顔は画面には映らないので、確かめようがないのですが、しかし、音声は入る

















そう、音声は入るのです


















事実、父親が姉に呼び掛けている音声や母親と話す音声は全て聞こえていました













つまり、父親がバカだなぁと言っていたなら、それも入っているはず



















そしてこのあとすぐに

















この現象が決定的に不可解だといえる、シーンがやってきました
















母親が姉に言いました

















「さっきバカって言われちゃったから、気をつけなきゃねー」



















さっきバカって言われた
















誰に?












父親は言っていない













言っている人間がいるとしたら














画面越しの僕













ビデオの中の僕はベビーカーで眠っている
















そして、



















ビデオもクライマックスのシーン

















姉と母親が原っぱでしゃがんでカメラに手を振っている
















その時、何故か分からないけれど

















まるで手が自然に持ち上げられ、動いているように




















僕も自然と画面に向かって小さく手を振ってしまいました
















すると、


















画面の向こうの姉はカメラに手を振りながら、キャキャッと笑い















母親もカメラに向かって手を振りながら、確かに姉にこう言いました

















「ホラ、手を振ってくれてるよ、やったねー、良かったねー、ばいばーいって、dちゃん(僕の名前)、ばいばーいって」




















確かにそう言いました

















dちゃん、ばいばーいって...


















やはり何かおかしい

















その時の僕は斜め後前に映っているベビーカーで眠っているのに。


















その僕には一切触れず、観てるかも分からない数年後のカメラ越しの僕に手を振る?


















考えられるとしたら父親が事前に、成長した僕にこのビデオをみせるという仮定の元でカメラを回し



















どこか、映っていないシーンで姉を笑いながらバカだなぁと言い、最後のシーンはカメラを回しながら姉や母親に手を振る...




















それが、偶然カメラ越しの僕のタイミングと合致した......




















それにしたって有り得ない















...そうだ

















...父親にきこう
















そうして、父親の足にちょこんと座った僕が振り返ると



















父親は寝ていました















僕を足に座らせたまま



















起きてくれとせがむと、父親は「おぉ」とウトウトしながら起きだし















僕の問いにテキトーな生返事で答えながらVHSをとり出し













そのまま、僕の手を繋ぎ、布団に入ってしまいました
















父親も仕事で疲れていたようで、そんな中で姉が母親の家に泊まりに行ってしまったので、淋しくないように僕にホームビデオを観せてくれたのでしょう



















しかし、父親に寝られたら最後、その日は僕も父親と一緒に眠りこけてしまいました





















僕は後日このビデオのことを父親に問いただすと



















「うーん、あんまり覚えてないなぁ、他にもたくさんビデオ撮っていたから」



















...と、当たり前すぎる回答が。




















しかし、父親の言い分では僕にみせる仮定の元撮影したビデオではないというのが後に分かった事でした


















そして、母親も覚えてない、との事、姉に関しても当たり前ながら覚えてないらしく...


















じゃあ、あの現象は...




















今となっては解明しようにもVHSが見つからない...


















心霊体験かどうかも解釈のしようがなく、得体の知れない体験でした

















ただ、ビデオ冒頭の姉が走り回り、転び、僕が笑い、母親も笑いながら姉を立ち上がらせる

















画面越しのルーティン...あの空間や



















最後のシーンの画面越しに僕と、母親や姉が手を振り合う空間は




















見えないなにかが渦巻いているような、そんな感覚になったのを覚えています




















このビデオを観た時まだ僕は4、5歳くらいだったと思います



















これが僕の初めての、不思議な体験















こんな感じで、はっきり心霊体験とは言い難い不思議な体験も綴っていこうと思っています。

















しかし次頁はもっと分かりやすい心霊体験の話を。















長々と読んでいただき有り難うございました。
















それでは、また、のちほど。