なんか…また沖田にしたけど。
…気分的に。
まぁ…ベタな話ですのでね。
期待とかは勘弁してくりゃれ。
*****
「…あーもう!この部屋お酒臭い!」
「仕方ねーだろィ、宴会あとで疲れてんだ」
「宴会なんかで疲れないでよ…ほら、片付けるからどいて」
「あー」
まったく、真選組なんてただの年金泥棒じゃないか。
そんなことに気づいたのは、ここの女中になってから最初の晩のことだった。
毎週のように大広間に幹部が集まって会議という名の宴を嗜む。
税金は貴方達の酒代の為にあるんじゃないのにさ。
皆どんな思いで納めてると思っているのか…
納税に苦しんでいた家庭に育った私だから余計に思ってしまうのだけど。
沖田さん意外は皆酔い潰れてしまっていて、私は酒瓶やらをようやく片付け終わりそうな頃のこと。
まだ一人で猪口を傾けようとする沖田さんに声を掛けてみた。
「沖田さん…そんな顔してお酒強いよ」
「そんな顔?どういう意味でさァ」
「べっつに~」
沖田さんと微妙な距離を取りつつ横に腰を下ろし、猪口に残る程度のお酒を少し舐めてみた。
…毎回、瞬間的に思うことがある。
私はジュースで充分だ。
「こんなのよく飲めるよね」
「お子様が…」
「うるさい、健康主義なの!あ、ちょ…」
私が一瞬口を付けた猪口を取り上げられ、沖田さんはそれをそのまま口にした。
「セ…セクハラやめてよ!?」
「何がでィ…」
珍しく酔っているのか、何が何だかわかってくれない。
「どうしたの、今日は…」
「んん…」
私の訴えもよそに、ごしごしと眠そうに目をこする沖田さんはしょぼしょぼ答える。
「眠ィ…」
…ほろ酔いの沖田さんはいつもよりふにゃっとしてて可愛いと思ってしまうけど。
こんなこと、本人には口が裂けても言えない。
絞められる。
「寝たら良いでしょ…部屋まで行ける?」
「あんたも…遅くまでご苦労なこって。明日も早いんだろィ」
あれ。本当にどうしたの、今日は…沖田さんは酔うと優しくなるのか。
優しい沖田さんて、変な感じ…。
そんなことを思いながらも、私は立ち上がる。
「じ、じゃあ私は寝るから…あ、毛布持ってきてあげる。ちょっと待ってて?」
「………」
座布団の上で膝を立てて頭を付ける沖田さんは寝息を立てはじめていた。
…どうしよう、可愛い過ぎる。
いけないとは思いながらも思わず、さらさらつやつやした髪に一瞬だけ触れてから、広間の襖を閉めた。
*****
一応、大広間にいる全員分の毛布を抱えて戻ってきた私は襖の前で立ち止まり、襖に手を掛ける。
広間の中の様子はさっきと変わらない。
近藤さんや土方さんをはじめ、その他幹部の方々に毛布を掛けて回った。
沖田さんは…よかった、眠っているようだ。
「……さっきはすみません」
眠っている沖田さんの寝顔(…というか、体育座りで寝ているようなもので)に向かってつぶやいておく。
…隊士さんに触れるとかは、反則だもん。
沖田さんは他の女中からも人気だし…。
毛布を掛け、さっさと広間を後にしようとした矢先のこと。
「……ひっ」
背中に温かい感触…後ろから口を手で塞がれている。
こんなことするのは、一人しかいない。
「……ちょっと?!」
口から手を引きはがそうとするのにびくともしない。
「離してって言われたらSは離さねェ」
そんなS道知らないよ。
「って…酔ってなかったの?」
「通算24回目…記録更新でさァ」
…そんな数数えているくらいなら、雑務の仕事もサボらなければ良いのに。
「苦しい」
「…まあ、そろそろ離してやらァ」
ふと回された手が離れ、自由になった私は沖田さんに向き直る。
「"まあ"ってなんなの…まったく、そんなに俺様だと女の子にモテないよ?」
「へー、あんたは俺がモテてないっていうのかィ」
「……」
やっぱり顔か…。
「で?さっきの"すみません"って何のことでさァ」
「え?あぁ、えっと…」
…照れ臭過ぎて、言葉にしたくない。
「…い…言わなきゃダメ?」
「ダメ」
「…本当に無理」
「あー?何て?」
「……可愛いとか思ってすみません…」
「あんた…」
男の子に可愛いとか、本当に失礼なこと…。
「すみません、もう何でもします、すみませ……ふわっ」
「そーいう意識無いフリ散々しやがって…このばーか」
ここで思い浮かべるのがあの図、頭ぐしゃぐしゃのやつ。
…沖田さんのばか。
「そーいう意識ってナニ…」
「セクハラなんかで済ましやがってなァ?」
「……すみませんよ…」
「本当に何でもやるんだねィ」
「………」
その日は眠れませんでした。
ええ、それは勿論イロイロな事情で。
*****
キリ悪wwww
もういっか…
帰ってきたテストのせいでテンションがorz
なんか微妙な感じになってしまってすみませぬ。
↓じ、じゃあ次は銀さんとかで…このシリーズ書きましょうかな…
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