サンタクロースの憂鬱・前編 | イラストレーターYAGIのブログ

サンタクロースの憂鬱・前編

働き者のサンタクロース。

今年も色々な家にプレゼントを届けようと大忙し。

ある一軒の家に入ると、そこは汗の臭いが充満する活気溢れるボクシングジムでした。

サンタクロースはとまどいましたが、スパーリング終わりのボクサーに声をかけました。

「やぁ。私はサンタクロースだよ。君にプレゼントを持ってきた。ipad、3DS、加湿器、プラズマテレビ。何でもあるよ。どれが欲しい?」


汗だくで、喋るのも辛そうなボクサーはかすれた声で答えました。

「んなものはいらない。水をくれ」


サンタクロースは驚きました。

毎年毎年、流行をチェックしてどんなものが民衆に喜ばれるかをリサーチしてプレゼントを用意してきたサンタクロースにとって、その答えは目からウロコでした。


「そうか!みんなが本当に一番欲しがってるのは水なのか!」

それからサンタクロースは貯水タンクを背中にかつぎ、水というプレゼントを届けに行きました。

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「もうコレで毎年毎年、流行をチェックしなくていい。水さえあればみんな喜んでくれるんだ」

迷いが吹っ切れて清々しい気分のサンタクロースは、元気よく次の民家へ。


煙突から侵入し、すやすや寝てる子供の横に垂れ下がってた靴下を見つけ、中にドボドボと水を注ぎました。

飛び散る水で思わず目が覚めてしまった子供はサンタクロースに言いました。

「何やってるんだサンタさん。水なんていらないよ。3DSちょうだいよ」




「!?水で喜んでくれるんじゃないのか?」


サンタクロースは人間がわからなくなりました。

「プレゼントを届けて幸せをあげてるつもりが、結局は老人のエゴだったのかもしれない。本当の幸せって何なんだ」

色々な思いがめぐりめぐって混乱したサンタクロースは、プレゼントを届けるの放棄し、待機部屋に閉じこもってしまいました。



つづく





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