皆さんにとって、この世で1番面白い小説はなにか?


私にとっては

『告白』だ。

この本より面白い小説はあるのだろうか。


あの、有名な湊かなえさんの、

あの、映画化も成功した湊かなえさんの

デビュー作。

『告白』


中学生の頃、初めて読んで、衝撃を受けた。

本ってこんなに面白いんだ!と

夢中になって読んだ。


あれから時が経ち、

最近よく読書をするようになった私は

もう一度読んでみようと

この本を手にとった。



湊かなえ『告白』あらすじ(小説裏表紙より引用)

「真愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」

我が子を亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と

次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。

衝撃的なラストを巡り物議を醸した、デビュー作にして、第6回ベストセラー。



『告白』の何がすごいのか

まず初めに、この小説は

第一章 聖職者

第二章 殉教者

第三章 慈愛者

第四章 求道者

第五章 信奉者

第六章 伝道者

の六章からなり、各章ごとに違う人の視点で描かれる。



最も有名で記憶に残りやすい第一章は女性教師の告白である。

簡単に言うとこんな感じ。


4歳の娘が死んだ。

娘は事故死とされている。しかし、娘は事故で死んだのではない。

このクラスの生徒に殺されたのだ。

私はその犯人を、少年A、少年Bと呼ぶ。

少年Aは‥‥。


淡々と語られる事件の真相、そして女性教師の告白に驚いた人は多いだろう。

そして、多くの人はその部分だけを記憶している。(と思う。私もそうだった。)


この小説の凄いところはここからである。

第一章にて、すでに事件の真相は全て明かされた。

かのように思える。

しかし、そうではないのだ。


第二章は女性教師が告白をした、その後の教室の様子が、ある女生徒の視点で語られる。

第三章以降は犯人に関係する人物、または犯人たちの視点から語られる。

中盤を過ぎたあたりからは「えっ?」「ん?」「えっ!?」の連続である。

そして最後の最後、第六章ではとんでもない展開が待っている。


まさに衝撃的なラスト。


この物語の凄さを語るにはネタバレが必要なってくる。

それはちょっといただけない。


ということで印象に残った文章を一部引用する。(『告白』湊かなえ p255 L11-13より引用)

なんとなくむしゃくしゃする気持ちを、ボキャブラリーの少ないあいつは、「死ね」という言葉でしか表現できなかっただけなのだ。


なんというパワーワード。

この作品の面白さは、やはりこの↑ことごとく子供たちをバカにした文章である。

湊かなえさん自身が登場人物である女性教師に強く感情移入しているのではないかと思うほど、この犯人たちに対しての言いようがすごいのだ。

汚い言葉で罵るとかそういうことじゃない。

とにかく淡々と小馬鹿にする。

たとえそれが女性教師目線じゃないとしても作中を通して、チクチクとやっている。


もしかしたら作中で誰のこともバカにしていなかったのは寺田だけかもしれない。

あぁ世直しやんちゃ先生が最たるものか。

寺田はある意味では美月のことをバカにしていたのかもしれない。無意識的に‥‥。



久しぶりに読んだ『告白』は想像以上に忘れていたため

想像以上に面白かった。

読み切らなければ絶対に損。と言い切れる作品。

では、また明日👋


『告白』の概要

『告白』ー湊かなえー 双葉文庫  ¥619+税