Dia 19

Bercianos del Real Camino

満身創痍ながら、すれ違う仲間達の顔を見る度、声を掛け合う度、不思議と元気をもらい足は目的地へと向かっていく。

ずいぶんと地方にある宿近くの小さな商店。

先客の振る舞いに機嫌を損ねた様子で、露骨に嫌悪感を露わにする店主。

難しそうだなと思いながらも、私の信条と経験から『真心と尊重を持てば人と人は必ず分かり合える』と、拙いイタリア語でパニーノ用の食材を注文すると、なんとしたことか、わざわざトマトまでハムスライサーで丁寧に切っては、あれよあれよという間に等分したのち個包装してくれたではないか。

嫌な顔一つせずに。

私は自分の大切にしていることが間違いではなかった様に覚え、そしてまた言葉を超えた想いの交流に胸打たれるばかり。

「最後晩餐には何を食べたいか」という問いに「ガスパッチョ」と答えたことがあるほど、冷製スープ好きな私。

今朝も旅の途中、遅めのブランチにガスパッチョをチョイスして、至福のひととき。

ガスパッチョが気軽に手に入るスペインがなんと羨ましいことか！