柿の種を食べていたら猫が寄ってきた。
黄色い目の三毛であった。
そいつは私が食べているものを執拗に眺め、目の前で座り込んでニャーニャーと鳴くのである。
ここは公園で、今日は休日で、極めて気候の良い時間帯であったが故に、人がそこそこにいる。
そんな中で目の前でニャーニャーとしている痩せた猫を無視するということは、ひどい人間の様な行いに思われて、席を立った。
するとどうしたことだろう、その猫は私の後についてきて、ニャーニャーと追い立てる様に鳴くのである。
こうなってしまっては、本当に嫌だが仕方あるまい。
どうしたの、と思ってもいないのに声をかけてみて、チラリと周囲を伺う。
幸いにも私の方を気にしている者はいない。
折角声を掛けてやったのに猫はそれがどうしたと言わんばかりにまたニャーニャーと鳴くのである。
しおらしく何か物憂げであればもう少しはマシであったと思う。
これには私もいよいよと参ってきて、仕方がないので食べていた柿の種をそこへ放ってやった。
すると、なんだこんなものか、そんな表情で去っていった。
あまりの身勝手さに少し猫を好きになった。
人間もこのくらいわかりやすい方がもしや可愛げがあるかもしれない。