伯母の命日 | 【うずめカフェ】ikukoのブログ。身口意そろえて味わう人生を。

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これは、私なりの供養のため

伯母の祥月命日に毎年あげている記事です。







11月23日は49歳で亡くなった

伯母の祥月命日だ。

あれから27年が経つ。
今年は私も、
ちょうど伯母の亡くなった歳になり
感慨深いものがある。


小さな頃から大家族4世帯で
暮らしていた古い西陣の商家で
伯母も一緒に住んでいた。
 


私にとっては母でもなく
姉でもない、身近な女性の見本のような
不思議な存在だった。
 

以前にもブログで書いたが、
私を構成するおおよその
感性的な美意識とか芸術的な
ところ、


そして料理やお菓子や
裁縫、編み物といった
手仕事的な要素は
この伯母に影響を受けて育っている。
 

美人で画家だった伯母は
いつも華がまわりに咲いてるような
パッとした雰囲気にあふれていて
とにかくモテた。のに、
結局その短い生涯を独身で終えた。
 

伯母の命日が来るたびに、
わたしの中に今も活き続ける
思い出と共に、遺してくれた
無形の財を感じている。




その一つが、香水の香り。

 
伯母はおしゃれが大好きだった。
 
「いい女はシンプルで上等な
アクセサリーを身につけたとき
わかるのよ」
 
とか


「今の年齢やから似合う色があるんや。
今の年齢やから選ぶ形を楽しむのんよ。
みんなが黒を持ってるからって
黒ばっかり持ったらあかんよ。」

「鞄も靴もな、くーちゃん(わたしのこと)が
マゼンタピンクが似合う歳を
楽しまなもったいないわ」
 

とか、

「お化粧してふふふって
嬉しくなるようなお化粧道具を
揃えてな。ふふふ、ゆうて、
かわいいくーちゃんが
にこにこなるお粉をくーちゃんの
ために揃えるんやで」
 

とか、いろいろ私に伝えてくれた。
 
※くーちゃんは、伯母限定のわたしのあだな。
 


「香水も、自分が一番ときめいて
ドキッとしちゃう、ええ香りを
自分の香りにするのんよ」

と、まだ香水の用途も何もわからない頃から
いつも色んな種類を試させてくれた。
 


私はきつい匂いはキライだし
香水は基本つけないことが多いけど

一本だけ気に入ったのが
「マハ」という香り。


べっ甲色の瓶に赤紫色の蓋で
中身はシトリンみたいな色をしてた。


誘うような妖艶な含みがありつつ
甘くはないのに柔らかくて
薔薇のようなフローラルな華があって

そして、潔くしつこくない感じが
出会ってすぐに大好きになった。


ちなみにもう、廃盤になっていて
いま売られてる同名の香水は別物だ。
(復刻したら一番に買うのにな)


↑こちらは、同じく記憶にあるミツコ



当時私はまだ17だったから
大学に入って19になったら、

真っ赤なハートのついた
ブランドものの財布と一緒に
そのマハをもらう約束をした。
 


晴れて大学生になって、
約束通り伯母がプレゼントしてくれ、
自分の香りになったマハ。
 
伯母の使っていた途中のものをもらった、
その使用中な感じが大人の香りがして
うれしかった。
嬉しくて大事に大事に使って…
 


プレゼントから3年後に伯母が急逝したときも
そっと焼場のお山にもつけていった。
 

不謹慎なんて思わなかった。
伯母なら喜んでくれるような
気がしてたからだ。
 


伯母の死化粧は、教えてもらったメイクの
やり方で、教えてもらった魔法の
お粉を使って、私がべっぴんさんに
してあげた。

 

↑これも伯母が気に入ってたゲランのお粉



わたしに、《おんな》って
いいものだな、っていうことを
たくさん教えてくれたひと。

 

わたしに、《おんな》って
自分で楽しむものなんだなって
いうことを、たくさん伝えてくれたひと。
 


そのために、この世界には
たくさんの色があり、形があり
香りがあって、味があって、
 

全部、全部、このわたしをわたしが
喜ぶために存在してくれてることを
生涯をかけて見せてくれたひと。




命日のたびに、
伯母を誇りに思えることが
わたしの、11月の幸せのひとつに
なっている。

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