嫁の話によると、家は嫁の両親と同居しているために、母子家庭の補助は受けることが出来ないらしい。

それに、旦那(僕)にも生活があるから思っているよりも養育費は高額ではない。

ほかにも、離婚時の約束とおりに養育費を受け取れている女性は少なく、8割程度が受け取れていない、旦那(僕)が再婚すれば養育費の減額請求が出来る。


まあ、この弁護士さんの言っていることが100%なのか、嫁にそれなりに覚悟はしなさいという渇なのかは知らないが、そんなことばかり言われてちょと凹んで帰ってきたのだ。


「そうかあ・・・なあ・・・離婚せえへん条件は?子供と・・・離れた・・・くない。」


途中から声が切れ切れになる僕。


家のローン、二人の親、二人の子供。

嫁一人が背負いきれるものではないかもしれない。


子供が居る間は僕も勿論手を貸すが、その後も家のローンは終わらないし、親は年をとり働けなくなる。


考えた挙句、数日後に二人が出した結論は、離婚しないことだった。


嫁の条件は

夫婦の離婚については5年後にもう一度かんがえる。

セックスはしない


僕はこの条件をのむことで子供達との日常を失わずにすんだ。


とりあえず、5年間は。


そして、考えていたよりも辛い日々が始まった。


あれから、5年の期限はもうすぎた。

嫁は離婚について何も言ってこない。

僕も何もいわない。


そうして今日も何事もなく過ぎていく。


その頃、僕達夫婦には離婚という言葉が出始め、それぞれが思いをめぐらせていました。

ある日、嫁が話があるというので、子供達の視線を避けた小さな部屋で話し合いが始まった。


「今日な、弁護士の所に行ってきてん。」


それは意外な言葉だった。

別れたくないという意思はあったけれど、それでも裁判沙汰にまでするような状況ではなかった。


「ああ、ほんまに終わったんやな。」


弁護士という言葉を聞いた時の僕の気持ちというのはそれが一番しっくり来る言葉だった。

弁護士の所にまで行っているということは嫁の方の意思は相当固く、おそらく離婚届も用意しているのだろう。

もっとも、この日よりも前に、既に離婚条件の話をし始めていたぐらいだったから予想はできていたのだが、それでも弁護士という他人が出て来るなんて思ってもいなかった。


僕が離婚を渋ったのは、まだ嫁への未練も残っていたし、何より、子供達と会えるかどうかが分からなかったからだった。


「子供の意思にまかせよう。」


基本的にはそういうことになっていたが、まだ低学年だった子供に選べというのも酷な話。

嫁は会えばいいと言ってくれていたが、どちらにしても子供との日常は失う。

それが耐えられなかった。


「弁護士さんの話ではな。・・・」


僕は大きくため息をつきながら、「うん。・・・うん。・・・」といって聞いていた。


しかし


嫁の話は意外な方向に向かっていった・・・


・・・続く