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土壁の住宅ですが
化粧垂木と面戸板の納めに工夫して
垂木の上に通気層を取り
瓦の棟から排気をしています


棟ののし瓦のところで色が違うところがありますが
そこに換気部材が仕組まれています


漏水は風速60m/secでも大丈夫
天窓は小屋裏換気とは関係ありません
下部の食堂台所の採光と通気用です

 

 

 

3:日射遮蔽の検討順と目標

 

手法2…屋根の日射遮蔽手法

 

・屋根面は日射を受ける時間が長くなるので

断熱だけでなく

日射遮蔽をすることが重要です


 屋根面から室内への熱の入り込み

天井からの熱の入り込みや放射熱を

抑えることが必要です


 

1)日射遮蔽率の高い屋根材を使う

 

・屋根面の日射反射率を高めることで

日射遮蔽効果を上げることができます

 

・建材は

色によって日射反射率や吸収率が大きく違い

一般に暗色よりも明色の方が
 又、釉薬瓦(茶碗瓦・陶器瓦)などのツヤのある材料の方が

日射反射率が高く
 温度の上昇を抑えることができます


 屋根材や外壁材なども

建物外皮面に明るい材料を使うことで

日射遮蔽効果が高くなります。


 

2)小屋裏換気による日射遮蔽(天井断熱の場合)

 

・天井断熱を行っている住宅で

屋根の日射遮蔽効果を高めるために

小屋裏換気量を大きくすることは
 とても有効です

 

・小屋裏の換気回数は

5回/時間 以上とするのが望まれます
 (1時間に小屋裏の体積の5倍の量を換気することです)

 

・小屋裏換気手法と換気量は下記を参考にして

十分な換気面積を確保するようにしましょう


 ここで示す面積の割合は

結露防止のための目安ですから最小値と考え
 日射遮蔽のためには

より多くの換気口面積が望まれます。

 

 

 *天井面積に対する換気口面積の割合を示します(最小値ですよ~)

 

 1]小屋裏給排気(妻壁の頂部2箇所以上)のみ……1/300
 2]軒裏給排気(軒裏の周囲)のみ……1/250                  
3]軒裏給気+小屋裏排気…各々1/900(軒から入れ妻壁の頂部から出す)
 4]軒裏給気+排気塔排気(軒から入れ棟部から出す)…各々1/1600


 

3)屋根の通気措置による日射遮蔽(屋根断熱の場合)

 

・屋根は日射により温度が上がり

室内への放熱を生じさせます


 特に屋根断熱を行っている住宅では

やねから室内に放熱される熱量を抑えるために
 通気層を設けることがとても有効です


 一般には

垂木と野地板(瓦を止める板)の間に

空間を造ります

 

・その通気層は大きい方が望ましく

3cm程度以上確保して欲しいです

 

・屋根牒頂部には棟換気部材を設けます


 天井面積の1/1600以上が望ましいので

100m2(30坪)の広さなら
 100m2/1600=0.0625m2=625cm2となり

それに見合った部材を探すことになります

 

・通気層の出入口になる部分では

雨水の侵入などに配慮しながら

できるだけ大きく取ります

 

 

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イメージ 2
窯業系サイディングにタイルを貼った外壁
屋根は厚手のセメント系平板瓦です


外壁の下部にある土台水切から
外壁の通気層を通って棟の換気口に抜けます
軒裏にも有効ボードで吸気口を設けています


この写真では分かりにくいですが
棟換気部材は薄型を使うと
外観上は殆ど分からなくなります