2:日射遮蔽対策による省エネ目標
1)目標レベルの定義
・レベル1~3として
冷房に使うエネルギーの削減率で表します
・冷房エネルギーの削減率は
主開口面が面する方位で異なります
主開口が南向きの場合に
15%、30%、45%をレベルの1、2、3
主開口が南東、南西、東、西向きの場合は
20%、25%、35%をレベルの1、2、3
とします
ちょっと分かりにくいので、この程度にして
概略の感じを掴んでみて下さい
2)目標レベルの達成方法
・開口部の
日射侵入率の基準値を満たすように
対策を立てます
・日射侵入率は
入ってくる日射熱のうち
室内へ流入する熱の割合です
この数字が小さい程
遮蔽性能が高いと言うことになります
・方位によって基準値も変わってきますが
一般の方は細かく気にしないで
できるだけ遮蔽できるように
心掛けていくと良いのではないかと思います
・開口部の日射侵入率は
次のようにして簡易計算します
開口部の日射侵入率=ガラスの日射侵入率×日射遮蔽部材の遮蔽係数×庇等の遮蔽係数
日射遮蔽に有効な庇としては
庇の出を
庇から窓の下端の距離の0.3倍位にするといいです
テラス窓(掃出し窓)で
庇が床から300cmのところにあったとすると
庇の出は90cmは欲しいと言うことになります
深い軒は外壁に雨が当るのも防ぎますので
外壁の耐久性も向上します
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南側が開放された中庭を持つ住宅です。
テラス窓(掃出し)のあるところの
軒の深さは90cmです
その他の部分は境界線との兼ね合いもあって
60cmの軒です
(境界線との距離で法律上の有効採光面積が変わります)
30cmの差の部分は屋根材を変えています
もかけ状の屋根のバランスを考慮しました
朝日と夕日は建物によって遮られます
東にある賃貸住宅からの視線を遮る意味もあります
西日は東側の座敷や玄関ホールに
差し込まないようにしました