2003年、大学に入ってすぐ




あっちゃんを好きになった




2004年、大学2年の5月




あっちゃんに思いを伝えた




フラれはしたけど




その後もあっちゃんに対する思いは




消えることはなかった






ただ、その前と後では




何かが違っていた




まさにあっという間に




月日は流れてしまったんだ






その間にあった数少ないあっちゃんとの思い出は




手相の話になってあっちゃんの手に触れたこと




学校から駅まで自転車の後ろに乗せて送ったこと




どちらとも最初で最後だったな





でも何よりも覚えているのは




僕の名を呼ぶあっちゃんの声と




大好きな笑顔だった








大学2年・・


3年・・・


4年・・・・・






月日は瞬く間に流れた





高村(生きててよかった、そんな夜を探してる) とは




1年のときから知り合いだったけれど




一緒に遊ぶようになったのは




大学3年からだった




閉鎖的になっていた僕の心の中に




土足でズケズケと入ってきた




僕は苦痛ではなかったし




こんな僕とつるんでくれて嬉しかったし




むしろこいつとは気が合うなと思っていた




そして




大学1番の親友になった







あっちゃんとは




同じ大学で4年間過ごしはしたけれど




一緒にいた時間は




1日(24時間)にも満たないような気がする










そして








卒業式を迎えた


告白してフラれてから3日後






学校の授業が終わったころ




あっちゃんからメールが届いた




「16時まで時間が空いてるんだけどマック行かない?」





僕はフラれたこともあるし




ちょっと気まずいなぁと思いながら




内心うれしさもあって




了解の意思を伝えた




たぶんこれから気まずくならないように




あっちゃん側の気遣いもあったと思う







待ち合わせのマックの前に着くとあっちゃんがいた




そして2人で店に入り




互いの親や友達の写メを見せ合ったり




他愛もない会話をした




30分ぐらい一緒にいただろうか




僕は終始、緊張と




でもあっちゃんと一緒にいるうれしさと




いろんな感情でいっぱいだった







そして




これをデートと呼んでいいのかわからないが




もしもそう呼んでいいのだとしたら




このマックで過ごした約30分間が




最初で最後のデートになった


親友のおかげでやっと決心がついた僕は




携帯のメモリからあっちゃんを出し




電話のボタンを押した




呼び出し音が鳴っている




心臓がバクバクいっていた





「もしもし」




あっちゃんがでた




「もしもし、ちょっと話があるんだけど今時間大丈夫?」




「うん」





こんな感じで切り出したような気がする






このとき伝えたのは




僕はあっちゃんのことが、好きだということ


僕の中でとても大切な人だということ


ずっとずっと好きだったということ




そして覚えているのは


付き合ってほしいとは言えなかったこと



それから


途中で


電波が悪いのか


2、3度


電話が途切れたこと




僕が思いを伝えている間


あっちゃんは「うん、うん」


と頷いてくれていた




そして僕の話が終わったあと


「私はどうすればいいの?」ときいてきた




僕は


「今彼氏がいるのは知っているから


ずっと待ってる」と伝えた



すると


「ありがとう」


「うれしい」


「でも、あなたのことは男として見れない」


「これからも友達でいたい」


という答えが帰ってきた




「そっか・・・


わかった


じゃあ、


またね」




僕は、少し経って


振られたことに気付いた




付き合っている彼氏がいることに気を使って


付き合ってほしいの一言も言えない


そんなこと気にしている余裕なんか無いくせに



僕はやっぱり弱虫太郎だった





初めての告白は


こんな結果に終わった





2004年5月のことだった


もう自分の気持ちを抑えることができなかった




そのくらいあっちゃんのことを想っていた







僕はこのときのことをあまり覚えていない




僕はスーパーでバイトをしていたのだけれど




それが終わると




”あっちゃんに電話をしよう




そして僕の気持ちを伝えよう”




そう決めた







決めたのだけれど




携帯を片手に僕は




同じ道を何度もぐるぐるぐるぐる回っていた




いろんなことを考えた




”どう切り出そうか”


”どんな言葉で気持ちを伝えようか”


”ふられたらどうしよう”


”いや、ほぼ100%ふられる、ただ気持ちさえ伝わればそれでいい”





20~30分歩いたあと




僕が電話をしたのは




高校の同級生だった




同じ野球部で3年間共に汗を流した




親友だった




僕は今の状況を伝えた




そいつは僕に言った




「今しなかったら一生背負っていくぞ、それでもいいの?」




この一言で僕は決心がついた


あっちゃんと出会ってから




1年が過ぎたころ






僕はあっちゃんの事しか考えられなくなっていた




家にいても、学校にいても、バイト中も




何をしているときでも




あっちゃんが僕の頭をかき回す




大げさではなく、24時間あっちゃんが頭から離れなかった






たばこの本数が増えた




学校で会っても何を話していいかわからず




うまく話せなかったときは自分を責めた






もう僕の心は爆発しそうだったんだ






あっちゃんに彼氏がいることは知っていた



僕に興味がないことも感じていた






僕はあっちゃんに告白することを決めた