先日、自宅で5人の夕食を終え、皆で再放送のラピュタを見ました。30年以上前、お父さんが長女ちゃんと同じ年齢の時に作られたアニメ映画なんだよ!時を超えて人々に愛され続けるってすごいだろ!ドャァ!


そんな事を子供達に話しながら、目頭が熱くなっている自分に気付きました。


いつの頃からか、小説家とまでいかず、本を書きたいと漠然と思っていた。書きたいテーマがあり、それを学びつつ奥深く追求し、自分にりにまとめてみたいという欲求があった。しかし怒涛の現実世界の荒波の中、いつの間にか

言い訳です。知ってます。


でも目の前の大きな幸せの前には、些細な泡沫の夢でした。


リミットが近づいてきて改めて考える。

生きて来た、意味。難しい。


子どもを遺した?子どもは子ども。僕の製作物だなんて子どもの人格に失礼だ。家や保険金を遺した?家族を抱えた瞬間からの義務、それは大前提、残して当然。生きた意味とは程遠い。


でも何がしかの、いわゆる製作物はある程度残る。

例えば、本、誰かが読んでくれて、なにかを感じてくれる。

それって意味、あるじゃん。



夏のはじめに会社に状況報告に行き、会社の上の方との面談で、僕の再発胆管がんは完治は難しく、標準治療と呼ばれる抗ガン剤治療が国から3種類認められている。と説明しました。


効果は完全に個人差があり、仮に1種類の薬が約2年、残りの2種も奇跡的にそれぞれ2年づつ効果が持続すると合計6年延命できる事になります。しかし僕は最初に2種類を同時に使用して3カ月しか持ちませんでした。残りの1種類を6月終わりから始めました。1年効果が持続する人も、23カ月の人もいるようです。


その効果が無くなったと判定されると、大学病院での治療は終わります。


後は、いわゆるホスピスや終末ケア病院、在宅医療で痛みなどの対症療法を行い、出来る限り苦しまないように死を迎える事になります。とても辛い現実ですが、以上が僕の身に起きている事実です。しかし僕は一切諦めていません。必ず復帰してお役に立てる日が来る事を信じています。


休職前とほぼ変わらない体重で、元気な笑顔で佇む僕を囲んだ偉い人達が、氷ついた瞬間でした。


その1人が言いました。

そうだな、諦めたらいけない。治療費も含めてあとの事は心配せずに最高の治療を受けたらいい。個人的に貸すこともできるぞ。


別の1人も重い口を開き、いや、だがしかし勿体無い。

生きるを君の知識、経験や、ノウハウなんかを、なんとか形に残せないものかな。。。ウチもそろそろ創立50周年だし、記念に何か書いて遺してみないか


一同沈黙


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いいですね!社史編纂に取り組みましょうか!


いやいや、まだまだ元気そうだし、治して復帰する事を信じているからな!縁起でも無い事を言って済まなかった。気にするな。


退職金の前払い制度も利用できるぞ。



などなど、明らかに僕の予後を悟った皆様とこんな会話がありました。一部はブログでも書きました。


その時は実際に痛みや倦怠感もなく、体も心も元気だったので、そのうち引き継ぎ書?○○株式会社社員心得帳?みたいなものでも書いて渡そうと簡単に考えていました。


まさか文章を考えて、それを出力する事がしんどくなる日が来るなんて、その時は夢にも思っていませんでしたから。



僕の命のともしびを

皆様にお伝えしながら共有する事の大切さは、今となってはかけがえの無い尊い事だと思います。


しかし、自分が生きた意味を見出したい、永続する可能性のある価値あるものを遺したい。という自分勝手な欲望。


そして、16年間お世話になりっぱなしの上、休職した今も全く変わらぬ体勢で支え続けてくれる会社。金額だけでは量れぬ深い愛に何かご恩返し、ご奉公がしたい。


社史まで大袈裟でなく、会社の創成期から現在の歩みを、創業社長の苦悩や葛藤、孤軍奮闘どのようにして、襲い来る様々な外的要因を跳ね除けて成長軌道に乗せたのか。


さらに、途中入社の役員達と知恵と力を合わせ、押し寄せる世界経済とのリンク、業界そのもの浮沈をどう乗り越えてきたか。


そして期待の新人生きるを君は、入社一年目で何度二日酔いで遅刻したか?(笑)そのあたり軟硬うまく織り交ぜたノンフィクション冊子を描いてみたいと思うんです。恩返しにもならないし、生きた意味にもならないかも知れませんが、今やりたい事しないでいつやるの!今でしょ!


と、言う訳で治療の傍ら、そちらの製作に重点を入れていこうと思うので、ブログ更新は厳しくなりそう。

最後まで自己中心丸出し欲望エゴまみれくそ野郎でほんとすいません。


完成にこぎつける事が出来たら、この冊子は会社に提出し、処遇はお任せするつもりなので、皆様のお目にかける事が出来るかは分かりません。完成しない可能性もあります。サボり癖のある飽き性なので(笑)


今まで大変御世話になりました。

ブログを通じて沢山の方々から愛と勇気と祈りを頂きました。ありがとうございます。あっけないようですが、ブログの更新は一旦ストップになります。皆様のご多幸をお祈りしております。