マカオに天丼屋のチェーン店が来ると聞いたのは
去年の11月のことだった。
場所を確認して12月にはOpenする予定だと知る。
しかし12月にほぼ出来上がっていた店舗が
何故かさら地になっていた。
おそらくマカオの飲食ライセンスのルールを知らずに内装を作ってしまったのだろう。
僕自身もあったことだが、マカオの洗礼を受けた感じだ。
そこから2ヶ月が経ち、
一昨日の土曜日に内装を一からやり直した
天丼屋がグランドOpenを向かえた。
今日、様子を伺おうとランチすぎに向かった。
5、6人が並んでおりまずまずのOpenだろう。
入り口のレジ横に40代の日本人が
天丼屋らしい白の割烹着で立っている。
「あ、日本人の方ですよね。僕もマカオに住んでます」
そんな入りで会話を始めた。
やり直した工事、大変でしたねと話すと
よくご存知でと、一気に距離を縮めた。
彼はここの責任者らしい。
その後、慣れないマカオでの仕事の話を聞く。
「僕は今日Openの2時間前に来たんですけど、マカオ人のオーナーの子がOpenの時間ちょうどに来たんですよ。だからガツッと言ってやりましたよ。本当信じられないです。スタッフにはかなり怖がられてますよ」
そうか、ここは直営ではなくマカオ人が買ったフランチャイズなのか。オーナーって金出してる立場の子にそれもないだろうな。
「いやーマカオ人は基本時間にはルーズですからね」
「でもちゃんと一本スジを通して、しっかり話したほうがいいですよね!」
「あー。でもそれって僕も来たばかりのころ、感じましたけど。結局ここはマカオですし、マカオ人にもプライドはあるんで、怒ったりするのは得策ではないです。うまくやんわりと話したほうがいいですよ」
「そうですか」
おそらく彼はまだ納得している様子ではなかった。
無理もないか、初海外の仕事なんだろう。
しかし日本の一本のスジが
このマカオでは通るわけもなく
なんでこのひと怒ってんだろくらいにしか思われない。
怒っていいことは何一つなく
マカオ人に怒ったら負けなのだ。
「今度時間あるとき、飲みましょうよ」
僕は名刺に電話番号を書いて手渡した
