突然ですが、私と娘は誕生日が同じであります。

どちらも12月18日。

 

こういうのって、前世で絶対深いつながりがあるんだって占星術の人が言ってました。

双子だとか、夫婦とか。

で、こういっちゃなんだけど、もちろん息子も絶対可愛いんだけど

私は娘を産んだとき

「あ、出会ってしまった」という、何か霊的な特別感があったのよね。

これほんとなの。

そして娘は実によく泣く赤ん坊だったけれど、4か月を過ぎたころ、めったに泣かなくなって、抱っこしてる私の顔をじいっと見るようになったの。

穴が開くほどじいっと。

そして、何かを訴えるように「あー、あー、あああ、あー」と懸命に話しかけてきて

わたしが「そうよ、その通りよ」「私もあなたが大好き」というと

めちゃくちゃうれしそうに笑うようになった。

そして、こっちが教えるというより、頭の中の記憶の氷が解けるようにして、どんどん単語や二語文をしゃべるようになった感じで。

その当時「この子、こんな単語どうして覚えたんだろう」と夫もいぶかしがるぐらい

年齢に似合わないことを言い出したんです。

一歳を過ぎたころ「かみさま」という言葉をしきりに口に出すようになって、

空を指さしながら「かみさまが待ってるよ」(一歳児ですよ!)「かみさまのおうちだ」(テレビには教会が写ってました)「しあわせ」「さびしい」「あ、ひのこがふってるよ」

このとき、ひのこって火の粉?と思って窓の外を見たら本当に火の粉が降ってました。一キロぐらい先で火災があったらしいんですが、ひのこって単語は教えたことがないのに。

2歳になったころ、児童遊園の砂場であった同い年ぐらいの女の子に

「こんにちは、あたしいて座生まれなの。あなたは何座?」といきなり聞いて、相手はきょとんとするだけ。

その子のお母さんが「あごめんなさい、この子まだおしゃべり上手じゃなくて」と割って入りましたが、その後周囲のお母さんに

「ふつうあんなにこの年でしゃべらないわよねえ」「2歳って嘘なんじゃないの」とひそひそ言っていて、居心地の悪い思いをしました。本人は本人で、「なんでみんなおしゃべりできないの」と不満そうでした。

その後も、言葉が早いだけでなく霊的な能力や予知力を感じるエピソードが続きましたが、長かった髪を小6で切ったら、急にそっち系は弱くなりました。

それとは別に彼女は中学で手に負えないぐらいの反抗期に入るんですが、でもそのさなかでも「エネルギー補給お願い」と言って怖い目で私の顔をじっと見ながら、細いつめたい指で私の両手をぎゅっと握ってくるんです。

私は冷え性だったんですが娘を産んでから「ぽかぽか症」と言いたいぐらい四肢がぽかぽかするようになり、その代わりというか娘は酷い冷え性で。

私が気を込めて手を握り返していると、やがて手も体もほほも、彼女がポカポカしていくんです。

「はいありがと!」と言って彼女が手を離すころには、彼女の全身が温まっているのがほほの色でわかるのでした。

この「気」のやり取りは私と娘の間でだけ可能で、もちろん夫や弟は全然ダメ。

この「母ガソリンスタンド」状態は彼女が高校に入るまで続きました。

 

で、誕生日が同じってことで、お互いの伴侶と外食を楽しんで祝った後、

誕生日の翌日、娘と私の二人でランチするのが恒例行事になっております。

何しろ娘は仕事柄友人や付き合い先も幅広く、「おめでとうランチしよ!」「ディナー予約しといたからね!」が私の前に三組ほど続いていて、その中には男性もいて、プレゼントは何万もする装飾品だとか指輪だとか、年寄りは聞いてるだけでびっくり。

「いいのそれ。そんなんもらっていいの。旦那様には教えてあるの」

「全部言ってるよ。仕事上のパートナーならいいんじゃないっていうだけ。夫クンともちゃんとフレンチのコース食べたから」

「ふーん……」

二人でランチを済ませて家に帰ると(店のマダムには、仲のいい上司と部下だと思ってたと言われました)夫が先に帰っていました。

 

私が「それにしても、そのバッグ高そうというか品がいいねえ」というと

「わかる? これが夫クンからのプレゼントなの」

「へー。どこのブランド?」

「ジ…… まあ言わない。高すぎるのなんだの余計なこと言われるから」

するとバッグをしげしげ見ていた夫が

「ジルサンダー。30万円」

「ええ?」と私がたまげていると

「その通り! 値段も当てた! 父さん凄いね!」と娘。

「だてにファッション通信見てないよ」と夫は得意げです。

(この人の趣味はテレビで天気予報見るのとドイツ語講座見るのとファッション通信見ることです)

 

ちなみに夫から私へのプレゼントは。

福助のデカパンツ、四枚組2400円でした。

 

そうとも、不満なんてないさ。

私が福助のパンツ欲しいって言ったんだからね。

羨ましくなんかないぞ!

来年いや再来年は、ブランド物の肌障りのいいおむつ買ってもらうんだからな!(常時下し気味)

 

という情けない話のあとでなんですが

今私は「カクヨム」というサイトに、過去に「小説家になろう」でどん尻の低いポイントをもらった小説を

手直しして載せています。

まーだ傷つき足りないか、と言われそうですが、自分的には割と満足な出来なんです。

お暇でご親切な方、できれば正直な感想など、ここにでもサイトのほうにでも、お寄せくだされば大変うれしいです。

ただいま連載二話目。7話で終わる予定です。