こんにちは、池上校講師の木村美那子です。

先日の大きな地震や、台風の上陸による被害に、なかなか純粋に夏休みを満喫出来る気分にはなれない人も多いことでしょう。
またこれまでは夏の暑さもお盆前後で落ち着きを見せていましたが、近年ではなかなか真夏日の猛暑がおさまらず、体調を崩す人もあるのではないでしょうか。
熱中症は涼しい屋内でも発生していますから、水分補給や睡眠時間の確保、食事内容の見直しなど、生活全体を通しての確認が必要となりますし、また表面的な温度と内臓の温度に解離が見られるとやはり体調不良に繋がりますから、どうぞ夏休みだからと言って羽目を外し過ぎずに、丁寧な生活を心がけましょう。

さて、発表会からあっという間に2週間が経ち、みなとシティバレエ団附属池上スクールでは通常のレッスンに戻ってこつこつとお稽古をしています。
が、この1ヶ月は進級者(基本的に年齢・学齢でクラス分けをしていますが、開校してまだ数年の池上スクールでは、レッスンの進捗状況や生徒さんの成長に合わせて進級を行っております)にとって、進級前の数少ないレッスンでもあり、講師は進級者のことだけでなく、現在のクラスで次の先輩となる生徒のことも考えながらクラス指導をしております。

バレエのレッスンでは常に個々の進化と深化が求められますが、それはお勉強のように一方通行の成長とは限りません。
少し難しいワークにトライしてみて、改めて基礎に戻る場合もありますし、基礎を積み重ねることでいきなりポーン!と上手になることもあります。
これはバレエ指導の経験をしっかり積んだ講師であっても、その見極めが難しい段取りでもあり、時には一見遊んでいるように見える時間も大切な準備段階であることも。

そのような時にお子さまに「ちゃんとやって!」「きちんとして!」「これはお家で反省会です」と言いたくなってしまう大人の気持ちも分かりますが、そこは先生が指導をするところでもありますので、よほど先生からの注意や保護者の方へのアナウンスがない限りはグッとこらえて、その日のレッスンを頑張った子どもたちと笑顔で帰路についていただきたいと思います。

バレエはアスリートのように身体を使う芸術でもありますが、一方で健やかな心の成長と身体の成長のリンクが必要な部分があり、特に心の成長や感性・センスについては、かける手間ひまが重要になり、時として大人が予想しているよりも長い時間が必要になる場合もあります。

最近流行りのタイム・パフォーマンス、コスト・パフォーマンスを重視することが悪いこととは限りませんが、バレエが芸術である以上、習い事であっても、そのアナログな手間ひまが本当の意味での豊かさを育てていくことに疑いの余地はありません。

せっかくバレエとのご縁を、このみなとシティバレエ団附属池上スクールと結ばれたのであれば、お子さまの成長を見守りつつ、お子さまを取り巻く大人たちも、本当の意味での豊かさにその身を浸して、十分に味っていただきたいと考えております。(木村)