こんにちは、池上校講師の木村美那子です。
寒さの中にも春の兆しを感じ、わくわくする気持ちや、そわそわした気持ちを感じている人もいるかもしれませんね。
また幼稚園や保育園、小学校の卒園や卒業を控えて、日々の楽しさの中に少しさみしさを感じている人もいるかもしれません。
子どもたちの成長はあっという間で、20年近く指導に携わっている木村も、いまだに子どもたちの成長のはやさ、時間の経過のはやさには驚くことしきりです。
だからこそ、お稽古場で目に出来る様々を、見逃すことのないように、そして子どもたちの成長を、ひとりひとり「その子らしさ」を損なうことのないようにサポートしながら見守って行けたらと思います。
子どもたちの見せてくれる様々には、一見すると「レッスンに関係しているのかな?」と思ってしまうことも、時として見受けられるかもしれません。
ですがそのような「遊び」とも言える部分、「余白」の部分が、子どもたちにとって大切な意味を持つ場合も多々あります。
以前の記事で、睡眠時に子どもたちはその日に体験したことや学んだことを整理し、定着させているというお話をしたかと思います。
大人にとっては「休息」という「余白」時間かもしれませんが、子どもたちにとってはその「余白」も成長の一要素となり得るのです。
田畑で耕作をする場面を考えてみましょう。
どれだけ素晴らしい化学肥料が開発されたとしても、ひっきりなしに種を蒔いて、作物を育てて、収穫し…を繰り返していると、その作物はその作物の持つ栄養素のバランスが崩れてしまうでしょう。
人間も種まき以降を頑張るのではなく、作物を育てていない間、土を休ませ、耕し、種を迎え入れる準備を丁寧に行っており、その準備作業と、お世話と、そして自然(天気や気温や降水量)のタイミングなどの協調がバランスよく組合わさった時に、本当に美味しく滋養豊かな実りをえられるのです。
作家・寺山修司は「この世は大きな遊び場だから」という言葉をのこしていますが、余白ばかり、遊びばかりではもちろん困ってしまいますが、子どもたちの成長を後押しするような「遊び」や「余白」を大切にしていきたいと思います。(木村)