何月何日かも定かではなかった。

担当医がやってきて、色んな書類を持ってきて私はサインをした。

それは薬に対する同意書だったような気がする。

入院初日も熱は39度を超え、記憶も曖昧。

覚えているのは鼻に小さな管を入れられ指に何か挟まれていた。

そして何時間も点滴。

やはり気になるのは仕事の事。自分の状態を説明しないといけないのに、仕事をどう回すかばかり考えていた。

仕事相手から辛辣なラインが届く。

しかし、今の自分はどういう対処がベストなのか全くわからない。

 

食欲は体調を崩した当初から全くなかった。

みるみる体重は落ちる。特に鍛えていた筋肉がどんどん落ちていく。

自慢のふくらはぎの筋肉は無残にもペラペラ状態。

一人で病室に監禁状態。もちろん見舞いに来る人もいない。

 

そして、声が出ない。

看護師さんと話すのさえ、声が通らない。

 

幸い、味覚障害はなかった。

(続く)