中高年~老後にとって 「いざ」というときとは?
「自分が大病に」・「親が寝たきりに」・「親が急死した」などが挙げられるでしょう。
今回は、病気・老親・相続などの想定外出費について
考えていきます。
1.病気にかかる
(1)3大疾病の医療費
働きざかりの中高年にとって、3大疾病「がん」「心臓病」「脳卒中」は不安が大きい。
すぐに死亡するケースは減っているとはいえ、治療が長引けば
医療費が増加し、治療等で働けず収入減という問題があります。
そこでまずは、どのくらいのお金が必要かを見ていきます。
(全日本病院協会調べ)
①がん(大腸がん)
治療法は、手術(内視鏡含む)、化学療法(抗がん剤)、放射線に加え、
細菌は体内の免疫細胞を活性化させる免疫療法も注目されています。
もちろん病状、治療法により異なりますが
平均では、1入院で約102万円(83000円/日)かかるようです。
②心臓病(心筋梗塞)
冠動脈が閉鎖し胸をえぐるような強烈な痛みを感じる急性心筋梗塞。
大事なことは、脳卒中(脳梗塞)にも共通ですが、出来るだけ早く病院に行くこと。
入院や治療期間を短くでき、職場復帰を早められます。
治療は、薬物療法・カテーテル治療・手術が基本。入院は7~10日程度です。
平均では、1入院約178万円(167000円/日)とのことです。
③脳卒中(脳梗塞)
言語障害や片側の手足の麻痺といった後遺症が懸念されますので、なるたけ早く病院に。
治療は、血栓融解療法とカテーテル利用の血栓回収療法が一般的で、
症状によりますが、一般的に入院は10~1か月程度です。
平均では、1入院で約160万円(60000円/日)のようです。
(2)公的保険制度
日本の健康保険制度は充実しています。
自己負担は収入により1~3割。更に通常は高額療養費制度が適用されます。
70歳未満で年収が約370~770万円の人の場合
「81000円+(医療費-267000円)×1%」で自己負担限度額が計算され
たいていは、9万円ほどになります。
さらに大手企業なら付加給付が支給され更に少なくて済む可能性も。
ただし、注意すべきは
差額ベッド代や自由診療や先進医療は全額自己負担となります。
高額療養費制度は立替払いで、窓口で支払った後、約3か月で差額が戻る仕組み。
それが困難なら、「限度額適用認定証」があれば限度額の支払いで済みます。
節約テクとして、クレジットカードで全額払いポイントを貯める方法も
また、月マタギに注意!
戻らなかったり減額される可能性もあります。
急を要さない「がん」治療なら、月初めに入院したいですね。
(3)退院後は…
収入源については、会社員なら傷病手当金で給料の2/3を18か月受けられます。
また、3大疾病は一生の付き合いになりがちです。
心筋梗塞や脳梗塞などは、生涯通院と薬が必要で、毎月1万円はかかるでしょう。
2.葬儀・お墓・相続
次は、「突然老親が倒れた!」その後の展開とお金にまつわる件についてです。
(1)遺言・相続
家族・親族間で元もトラブルになりやすいのが、遺産相続。
そこで「遺言」を用意しておきたいもの。
自筆は、安くて手軽だが、不備や不正・紛失等リスクがある為、できれば
「公正証書」遺言をつくりたい。
法律家(行政書士・司法書士・弁護士)などに原案等コンサルしてもらいながら
公証遺言をつくるのがベター。
専門家には12万円~。公証役場には遺産額によって変動するが4~10万円前後だ。
(2)葬儀
地域性もあるが、寺院費用(お布施・戒名等)50万円と葬儀150万円が全国平均だ。
最近は家族葬など少人数の葬儀が人気だが、あまりに簡素すぎると
親戚・知人等から批判を受けることも。
生前に、本人同行の上、2社程度の見積もりを取っておくことを安心です。
(3)墓地
新設するなら、100~300万円程度かかる「お墓」。
近年は永代供養の墓(合葬墓、樹木葬、納骨堂など)が人気だ。
永代供養とは、一定期間の供養をいい、期間は7年・13年・33年など様々で、
期間が短いほど安く5万~100万円ほどで、期間が終了すれば合葬される。
また、海などへの「散骨」も流行っており、費用は10~40万円程度か。
3.老後の住まいのお金
(1)介護用の自宅リフォーム
・手すり…数万~10万円 ・段差をなくす工事…2~15万円
・玄関のスロープ設置…20万円 ・介護用ユニットバス…80~110万円
などが回収の目安となります。
介護保険で上限20万円の助成(1~3割負担)があり、また自治体によっては追加がある。
ぜひ活用したいものです。
(2)介護施設
介護度が重い人なら「特別養護老人ホーム」で月額9~13万円程度だが、
人気の施設は、順番待ちで数年かかることも。
民間の、サ高住や老人ホームの費用はサービス内容により千差万別だ。
そこで、すぐに入居できない場合などは、連続30日などの条件が付くが
「ロングショートステイ」という方法もあります。(4~6千円/日)
今日はここまでです。
またお読みくださいね。