・本記事は個人ブログ「ゴルゴ13総合研究所『俺の背後に立つな!』」に感銘を受け、加藤元浩著『Q.E.D.証明終了』でも同じようなブログの登場を待ち続けていた書き手による特にすごくもない再読の記録である。なお「すごくもない」のは書き手の文章であり、『Q.E.D.証明終了』自体は一話完結型でどこからでも読める本当に面白いミステリ漫画である。
※なおこの記事は後続の記事と整合性を保つため後に修正が加えられる可能性がある。
第22話「銀河の片隅にて」
掲載:無印コミックス12巻、マガジンGREAT01年11月
「なに休み時間に休んでんのよ!」「なにか間違ってますか?」(水原可奈&燈馬想)
「勝手なこと言うな!! 燈馬君は私を助けてくれたんだよ!!」(水原可奈)
主な登場人物(名前の「=」は「・」に統一)
燈馬想(22)15歳でMITを卒業した天才少年
水原可奈(22)運動神経抜群の行動派高校生で燈馬のクラスメイト
水原幸太郎(9)警視庁の鬼警部で可奈の父親
葱山俊一(初)UFO研究家
笹西米正(初)サイエンスライター
小月治(初)大学教授
朝月希佐美(初)葱山の助手
※括弧内の数字は累計登場回数。なお独自カウントのため『ザ・トリック・ファイル』の登場回数とは必ずしも一致しない。
主な作品舞台:日本
☆あらすじ☆
世間は昨夜放送されたUFO特番「徹底討論 宇宙人は存在する!? UFOは地球に来ていた!!」の話題で持ちきりだった。UFO特番と言えばUFO研究家を自称する葱山俊一が実在派、サイエンスライターの笹西米正と大学教授の小月治が懐疑派となり討論を繰り返すのが定番だった。葱山は世界中の実在派の仲間から証拠品(いかがわしいものがほとんど)を借りて集めており、近々展示会を行うためか非常に意気込んでいた。
ただ今回の放送が話題になった理由は葱山が新しく出した証拠品に小月が好反応を示したことによる。葱山は宇宙人に連れ去られた青年が書いたという絵に対し「興味深い」と答えたのだ。予想外の反応に笹西も葱山も言葉が出ない。それは全国の視聴者も同じだった。
一方燈馬は一人暮らしで体調を崩し気味。可奈は家に呼んで夕食を食べさせようとしたが、燈馬は「用事があるからまた明日」と断ってしまう。
燈馬の用事が気になった可奈は燈馬を尾行。しかし港に来た辺りで彼を見失ってしまう。そしてそこで偶然出くわした葱山、笹西、小月らの番組撮影の協力をさせられることに。
そこは葱山が世界中の仲間から借りている証拠品たちを収蔵している貸倉庫だった。笹西、小月らはテレビ局のスタッフとともに貸倉庫の中身を撮影させてもらいに来たのだという。はなからバカにしている笹西に、妙に宇宙人の絵にこだわる小月。可奈は宇宙人の絵を確認している小月の見張りを頼まれたのだが、きちんと小月が絵を返したのを確認したにもかかわらず、翌日その絵がなくなっていることが発覚する。
なくなった宇宙人の絵を最後に見ていたのは小月で、それを盗んだ者がいるとすれば可奈も容疑者である。
燈馬は可奈の容疑を晴らし、一緒に夕食を食べるために事件の真相を解き明かす。
☆感想☆
実際のUFO討論番組をモデルに書かれた作品。大槻vs韮澤対決はずいぶん人気だったらしく、本作のようにかれらをモデルにした創作キャラクターが数多く生み出されている。記憶が確かなら私が『Q.E.D.証明終了』に出会うのはもう少し後のこと。UFO特番も見ていなかったのでちょっと楽しみ方を損した気分である。
「なに休み時間に休んでんのよ!」「なにか間違ってますか?」という掛け合いはシリーズ屈指の面白さ。
『准教授・高槻彰の推察』や「TRICK」なんかもそうだと思うのだが、オカルト(?)ネタの謎解きは昨今人気のネタだと思われる。本シリーズはUFOやUMAなど非常に親和性の高いシリーズだと思うのでがんがん同じような作品をやってもらいたいと思う。
肝心の真相は……最近古代日本史の勉強をしているので「どこもそうだよね」と思い溜め息が漏れた。この「もしも」の効果的な使い方が楽しませてくれるシリーズだと再認識させられた。
なおトリックはいつか読んだCIAのテクニック本に載っていそうなもので笑ってしまった(載っていそうなだけで載ってはいない)。リアル数学パズルっぽさもあるが。
結末は次回作「虹の鏡」に繫がる珍しい締まり方である。『ザ・トリック・ノート』によれば可奈が犯人に怒った理由は「魔女の手の中に」のエピソードを優から聞いていたからだそう。
☆キーワード☆
「ジョンバール分岐点」
☆おすすめ度☆
記事タイトル参照
★・・・おすすめ
★★・・・特におすすめ
なし・・・特にすすめていないが本作のエピソードはどれもおもしろいのでぜひ