コンクリートの圧縮強度
コンクリート構造物は、コンクリートの圧縮強度を基に設計が行われています。また、圧縮強度は、中性化の進行や塩化物の浸透速度など、劣化のしやすさと関係が有ります。
これらの事から、コンクリート構造物を維持管理する上で、圧縮強度を確認する事は極めて重要です。
圧縮強度の確認方法
通常、圧縮強度の確認方法には、主に以下の方法等が有ります。
①一軸圧縮試験
構造体コンクリートから、コア抜きによりφ100mm程度のコンクリート供試体を抜き取り、一軸圧縮試験により確認する。
②反発度法(コンクリートテストハンマー)
コンクリートテストハンマー(シュミットハンマー)により、コンクリートの反発度を測定し、反発度からコンクリート圧縮強度を推定する。
③超音波試験(土研法)
超音波試験機により、コンクリート中を伝播する超音波伝播時間を測定し、超音波伝播速度からコンクリート圧縮強度を推定する。
④衝撃弾性波試験(表面2点法)
衝撃弾性波試験機により、コンクリート中を伝播する弾性波伝播時間を測定し、衝撃弾性波伝播速度からコンクリート圧縮強度を推定する。
①の圧縮強度を直接的に確認する一軸圧縮強度試験は、最も精度の高い調査手法で、一般的に実施されている手法です。しかし、構造体コンクリートからコア抜きによりコンクリート供試体を採取する為、構造体に負担が掛かります。この為、近年においては、直径25mmの小径コアを採取して行う「ソフトコアリングシステム」を採用する現場が増えており、これにより、構造体への負担を軽減する事が出来ます。
②~④は、非破壊試験と言われる手法で、コンクリートの反発度・超音波伝播速度・弾性波伝播速度等を圧縮強度に換算して、計算により間接的に圧縮強度を確認推定します。
コア抜き状況(上向き穿孔)
反発度法によるコンクリート強度推定状況
衝撃弾性波試験(表面2点法)測定状況
次回では、これらの手法をもう少し詳細に説明したいと思います。
では、また!(^^)/