以下引用は、「一倉定の経営心得」からの引用です。
~≪引用≫『無為無策の社長の関心は「経費節約」である。それらの社長は、決算書を見てもチンプンカンプンであり、損益計算書から低業績あるいは赤字と知っても、打つ手が分からない。そこでのめりこむのが経費節約である。
経費に焦点を合わせて、これを節減しようとしても、よほど放漫な会社を別にすれば、経費を五%節減しようとしたら、ほとんどの会社で日常活動に大きな支障をきたすことはまず間違いない。
「経費節減病」というのは多くの会社で繰り返しかかる病気であり、不景気や業績低下時に重傷となる。しかし経費節減で成功した会社は世の中にないのである。だから経費節減を試みるなどやめるべきである。』≪引用終わり≫~
いゃあ、手厳しいですね。
また、以下のようにも続けられています。
~≪引用≫『事業の経営というものは、経費をおさえるという消極的な態度ではなく、売上を積極的に上げ、利益を大きくすることこそ肝要である。
経費をおさえることは極めて難しく、利益を上げる可能性は非常に多いからである。』≪引用終わり≫~
経費を絞る努力をするより、積極的に売上を上げる努力をする方が簡単であり、利益を上げる可能性が多くなることを言われています。「乾いた雑巾を、更に絞り上げる」なんてことは、到底できることではないと思います。そのような力があるのであれば、新たな商品・サービスを生み出す、新規顧客を開拓する、既存顧客を深堀するようなことに使うことの方がよほど効率的に結果がでるのではないでしょうか。
今回は、私がつべこべとここに書いたことを読まれるより、一倉先生の言葉をここでじっと噛みしめて見られるのもよいでしょうね。