上の問いですが、有名人で金持ちというのも答えとしては正解ですが、この四人に共通する事実は、ユダヤ人であるという事です。

 

 ユダヤには、とても強力なビジネス教本があります。ユダヤ人に金持ちや学者が多いのは、この教本があるからだと言われているものです。

 その教本の名は『タルムード』。ダルムード無くして、ユダヤ人無し!というくらい重要なものです。ユダヤ教の伝承によれば、「神はモーセに聖書以外に口伝で語り継ぐべき法律を下さった」。これがタルムードです。

 

 普通の人は、もし最悪のことが起きたら、たぶん、すごく落ち込むと思います。しかし、『悪いことが重なって起きているように見えても、もしかすると、人知の及ばないところで、もっと悪いことから救われているかもしれないのだ』というのがタルムードの教えなのです。

 

 たとえば、突然のトラブルに見舞われでも、そこに新たなビジネスチャンスが必ずあるはずだと、考えなければならないという意味にも捉えることができます。

 

 タルムードは、お金など「数えることができるもの」には幸せは宿らないとしています。物の数量を数えて「これだけ儲けた!」と思ったその瞬間に、神の加護が無くなるという教えです。

 

 簡単に言えば、金儲けに一喜一憂するなという戒めなのです。

 

 

 また、タルムードには様々な小話があります。その中の一つをご紹介します。

 

【難破船と三人の乗客】

 むかし、帆船が嵐に遭遇して難破してしまいました。流れ着いたのは、フルーツがたわわに実る無人島でした。

 船は、その島で修理を済ませてから、再び出航することになりました。

 

 その船には三人の乗客がいました。

まず、乗客Aは、

 いつ修理が終わって船が出てしまうかわからないので、島に取り残されてしまっては大変だと船から降りませんでした。嵐にあってからの空腹は我慢することにしました。

 

次に、乗客Bは、

 島には降りたのですが、船が出てもわかるようにいつでも船が見える位置にいたのです。その範囲内のフルーツは食べるとこができ、ある程度の空腹とのどの渇きは満たすことができたのです。

 

最後に乗客Cは、

 そんなに簡単には船の修理は終わらないとして、島の奥まで入って行きました。次から次へとフルーツをおなか一杯に食べることができました。その後戻って見ると、船は出てしまった後で、ひとり島に取り残されたのです。

 

 乗客Aは、その後の航海で空腹とのどの渇きに耐え切れず死んでしまいました。無人島に取り残された乗客Cは、そこから脱出することなく一生を終えたのです。生き残ったのは、乗客Bだけでした。

 

 この話は、ビジネスについてこう教えています。

 コロナ禍で、ビジネスがうまくいかない中、目の前のことだけを考えるのではなく、最終的にはどうあるべきか、目的をしっかりと持ち適切に行動することが、生き延びる方法だという事をこの小話は教えているように思えます。

 

 しかし、ユダヤ人の教科書であるタルムードのこの小話ですが、最初に上げた、ペイジもザッカーバーグもソロスも、無茶苦茶なリスクを取った乗客Cのように思えてならないのですが、彼らにとっては、適度なリスクであったという事なのでしょうか。“畏るべし!タルムード”です。