紳士とワインを飲む女はフェルメールの絵の中でも
比較的初期の作品です。
この絵は、複数の人間が室内にいて、
しかも人物が絵の中程に配置されていることから、
室内の奥行きを感じさせる作品です。
フェルメールの作品にはこのタイプがいくつかあるが、
これらはデルフトで同時期に活躍した
ピーテル・デ・ホーホの作品がヒントになったらしい。
しかし、絵の右端に近づくにつれ、床の四角いタイルに
遠近法上の矛盾が生じ、部屋が歪んでいる印象を
与えてしまっていることが難点だとも指摘されている。